簿記3級において貸倒引当金は必ず出題されるといっていいほどの超重要論点です。
貸倒引当金は簿記の中でも特殊な単元となるため、間違えやすい論点です。
しかし、貸倒引当金の仕訳ができないと簿記3級に合格するのが難しいです。
そのため、貸倒引当金を徹底的に問題演習しておくことは非常に重要です。
私は年間300人以上の学生に簿記を教えている大学教員です。
これまでの指導経験から間違えやすい仕訳については熟知しています。
この記事では簿記3級の減価償却の無料練習問題PDFと解説を提供します。
この記事を読めば、貸倒引当金の仕訳問題は完璧です。
簿記3級の貸倒引当金の出題範囲を網羅しているので、まずは一度問題を解いてみましょう。
その後、解答と解説を確認してみてください。
この記事を使うことで簿記3級の直前チェックが網羅的にでき、簿記3級の合格可能性が大きく高まるでしょう。
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貸倒引当金の無料問題
- 得意先に対して当期に掛売りした代金¥160,000が回収不能となったため、貸倒れとして処理した。なお、貸倒引当金の残高は¥0である。
- 決算にあたり、売掛金の残高¥300,000に対して10%の貸倒れを見積もり差額補充法により、貸倒引当金を設定する。ただし、貸倒引当金の残高が¥5,000ある。
- 得意先に対する売掛金(前期販売分)¥15,000が貸倒れとなった。ただし貸倒引当金の残高が20,000円ある。
- 決算に当たり、売掛金の残高¥400,000 に対して5%の貸倒れを見積もった。ただし貸倒引当金の残高が¥30,000ある。
- 得意先に対する売掛金¥48,000(前期販売分)が貸倒れとなった。ただし貸倒引当金の残高が¥35,000ある。
- 翌期になって前期に貸倒として処理していた売掛金¥48,000のうち¥6,000を現金で回収した。
解答用紙
簿記3級貸倒引当金の仕訳問題の解答と解説
解答はこちら
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貸倒引当金の仕訳問題の解答と解説
貸倒引当金とは、取引先が倒産などに追い込まれて債権回収が不可能となる状態(貸倒れ)に備え、事前に損失額を計上するために設定される引当金のことです。
特に貸倒引当金は評価性引当金に分類され、貸借対照表では売上債権から控除される形式で表示されます
会計では適正な期間損益計算を行うために「費用収益対応の原則」の適用が必要となりますが、当期の収益に発生した売上債権に発生する損失は当期の収益に対応させた方が良いという考えのものと、貸倒引当金の設定が必要となります。
また、「保守主義の原則」という観点からも貸倒引当金を設定することは慎重な会計方針として是認されます。
将来予想される損失を予め計上するという貸倒引当金の処理は会計特有のものであり、理解が難しい論点です。
そのため、問題演習をしっかり行い対策をしておくことが重要です。
以下では、6つの仕訳問題と解答の解説をします。
貸倒引当金 仕分問題1の解説
1.得意先に対して当期に掛売りした代金、¥160,000が回収不能となったため、貸倒れとして処理した。なお、貸倒引当金の残高は¥0である。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貸倒損失 | 160,000 | 売掛金 | 160,000 |
①貸倒引当金が設定されていない場合に、貸倒れが発生した際、全額貸倒損失で処理する
②貸方科目は売掛金として設定しておく
押さえておきたいポイントは、掛売りした代金が回収不能になり、貸倒引当金が設定されていない点です。
貸倒れが発生した場合、貸倒損失(費用)を計上する必要があります。
今回の場合は、¥160,000の貸倒損失を計上しなくてはいけないので、借方科目は貸倒損失を記帳し、¥160,000を金額欄に記載します。
売掛金¥160,000は回収不能となり、その債権が証明するので、売掛金勘定(資産)を減少させるために貸方に¥160,000を記入します。
貸倒引当金 仕訳問題2の解説
2.決算にあたり、売掛金の残高¥300,000に対して10%の貸倒れを見積もり差額補充法により、貸倒引当金を設定する。ただし、貸倒引当金の残高が¥5,000ある。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貸倒引当金繰入 | 25,000 | 貸倒引当金 | 25,000 |
①貸倒見積金額が貸倒引当金残高を上回る場合、足りない分だけを新たに貸倒引当金に繰り入れします。
②貸倒引当金繰入は差額補充法を活用して設定します。
今回の問題では、貸倒引当金の残高は¥5,000になります。
差額補充法では貸倒引当金の設定額から貸倒引当金の期末残高を差し引いた金額を、貸倒引当金繰入勘定(費用)として借方に計上し、同額の貸倒引当金勘定(負債)を貸方に計上します。
貸倒引当金の設定額は次のように計算します。
貸倒引当金の設定金額=売掛金の期末残高×貸倒実績率=300,000×10%=30,000
貸倒引当金の期末残高は¥5,000のため、貸倒引当金繰入の計算式としては、以下のとおりです。
30,000(300,000×10%)−5,000=25,000円
貸倒見積額に相当する金額が貸倒引当金として設定されることになるため、借方科目には貸倒引当金繰入勘定(費用)を記入し、計算式で求めた25,000を記載します。
そして貸方科目では貸倒引当金勘定(負債)をで同額を記入します。
貸倒引当金 仕訳問題3の解説
3.得意先に対する売掛金(前期販売分)¥15,000が貸倒れとなった。ただし貸倒引当金の残高が20,000円ある。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貸倒引当金 | 15,000 | 売掛金 | 15,000 |
①貸倒れ金額が貸倒引当金残高を下回る場合は、貸倒と同額の貸倒引当金を取り崩します。
②借方科目は貸倒引当金、貸倒科目は売掛金と記載
貸倒れ金額が貸倒引当金残高を下回る場合、残高から貸倒損失をまかなえるため、貸倒損失(費用)を計上する必要はありません。
今回は売掛金15,000円が貸倒れになっていまるので、まず売掛金を¥15,000減少させるために貸方に記載します。
続いて貸倒引当金(負債)を同額減少させるために借方に記載します。
貸倒引当金 仕訳問題4の解説
4.決算に当たり、売掛金の残高¥400,000 に対して5%の貸倒れを見積もった。ただし貸倒引当金の残高が¥30,000ある。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貸倒引当金 | 10,000 | 貸倒引当金戻入 | 10,000 |
①貸倒見積額が貸倒引当金残高を下回る場合、残高が見積額を超過している分だけ戻入れをする
②貸倒引当金戻入は貸方科目に記載する
ポイントとしては、貸倒見積が貸倒引当金の期末残高を下回っているかです。
売掛金の残高は400,000円に対して貸倒実績率が5%となっているため、まずは貸倒引当金の設定金額を求める必要があります。計算式は以下にようになります。
貸倒引当金の設定金額=売掛金の期末残高×貸倒実績率=400,000×5%=20,000
貸倒引当金の残高は¥30,000あるため、貸倒引当金の設定額¥20,000を上回っている状態です。
そのため、貸倒引当金の期末残高が設定額を超過している分を貸倒引当金戻入(収益)とし計上します。計算式は以下のとおりです。
30,000−20,000=10,000
戻入れ分は10,000になるため、貸倒引当金(負債)を減少させるために借方に¥10,000記入し、貸方に貸倒引当金戻入(収益)を計上します。
貸倒引当金 仕分け問題5の解説
5.得意先に対する売掛金¥48,000(前期販売分)が貸倒れとなった。ただし貸倒引当金の残高が¥35,000ある
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貸倒引当金 貸倒損失 | 35,000 13,000 | 売掛金 | 48,000 |
①貸倒額が貸倒引当金残高を超過する場合、超過額は貸倒損失で処理する
②超過した貸倒損失が発生する場合は、貸倒引当金と共に借方科目に記入する
今回のポイントは貸倒れが残高を超過している点です。
売掛金の貸倒れが¥48,000で、貸倒引当金の期末残高は35,000と貸倒れが引当金を超過しています。
超過した金額分¥13,000(¥48,000-¥35,000)は貸倒損失として処理します。
仕訳はまず売掛金(資産)¥48,000を減少させるために貸方に記入します。
貸倒引当金(負債)の残高は全て取り崩すため、借方に¥35,000を記入します。
差額の¥13,000は貸倒損失(費用)となるため、借方に記入します。
貸倒引当金 仕訳問題6の解説
6.翌期になって前期に貸倒として処理していた、売掛金¥48,000のうち¥6,000を現金で回収した。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
現金 | 6,000 | 償却債権取引益 | 6,000 |
①売掛金が現金の場合は、借方科目に金額と共に記載する。
②貸方科目には償却債権取引益と記載する。
翌期になって前期に貸倒れとして処理していた売掛金が回収できた場合、償却債権取立益(収益)を計上します。
償却債権取立益勘定は、前期以前に回収不能のため貸倒れ処理した債権が、当期に回収できた場合、その金額を収益として計上するための勘定科目です。
現金6,000を回収したため、現金(資産)を増やすため借方に¥6,000記入します。
これにより償却債権取立益(収益)が発生するため、貸方に同額を記載しましょう。
簿記3級|貸倒引当金の仕訳問題まとめ
簿記3級の貸倒引当金の問題について内容を解説してきました。
それぞれの問題をよく読んで、どう当てはまるのか把握できれば、ミスも防げるはずです。
特に、貸倒引当金の問題は貸倒れと残高の金額の関係について確認しておくと、ミスを防げます。
また、翌期になって回収できた場合は、償却債権取引益になるため、この点も把握しておくのがおすすめです。
簿記3級に合格するための重要論点となるので、しっかりと押さえておきましょう。
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