簿記3級の第2問は配点は100点満点のうちの20点と割合は小さいです。
しかし、苦手とする受験生が多く、いかに第2問で点数を多くとるかはは合否に大きく関わってきます。
簿記3級の合格には70点以上の点数が必要となるので、第2問で全問不正解となると不合格になる可能性が高まります。
私は年間300人以上の学生に簿記を教えている大学教員です。
この記事では簿記3級の第2問の無料練習問題PDFと解説を提供します。
記事の使い方
①問題と解答用紙をダウンロードする。
②できれば解答用紙は印刷して、問題を解く。
③解答を確認し、丸付けをする
④解説を読み、間違えた内容を確認する。
⑤もう一度問題を解き、チェックする。
以下の記事では簿記3級の直前仕訳チェック問題を無料で提供しているので、興味のある人は合わせてご活用ください。
記事の執筆者

・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。
・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。
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簿記3級の第2問の出題形式

簿記3級の第2問は難問として知られています。
第2問の出題は傾向が決まっています。
そのため、出題形式を分析して頭に入れるだけで点数を上げることができます。
第2問の特徴としては大きく分けて4つあります。
①簿記の基本的な理解力が求められ、出題形式から問題に対する理解力が試される
②問2の配点が極端に多くないが部分点が狙える!問2を制するものが合格を手にする
③問2を全て取る必要がない?泥臭く部分的に点数を取りに行く
④出題範囲は広いが、傾向が同じなので、比較的分析次第では点数が簡単に取れる
簿記3級の第2問は捨てようという意見もあるのですが、それについて以下の記事で解説しているので気になる人はご覧ください。
【簿記3級】第2問の無料練習問題PDF
第2問の無料問題
ダウンロードして使用してください。
解答用紙
ダウンロードして、印刷して使用して頂けると使いやすいです。
ipadなどでpdfに直接書き込んでもオッケーです。
第2問無料練習問題|問1 勘定記入
当社は、土地を継続的に賃借している。賃貸借契約では、地代は毎年9月1日に向こう1年分を前払いすることになっている。当期(20X3年4月1日からX4年3月31日まで)の地代に関する資料1にもとづいて、支払地代勘定と前払地代勘定への記入を行いなさい。
資料1 地代に関する取引
20X4 年4月1日 期首にあたり、必要な再振替仕訳を行った。
20X4 年9月1日 契約更新にあたり、向こう1年分の地代を当座預金口座から支払
った。なお、契約更新に伴い地代の10%の値上げに当社は合意している。
20X5 年3月31日 決算にあたり、地代について、月割計算による決算処理と勘定の
締め切りを行った。

第2問無料練習問題|問2 商品有高帳
以下の資料2にもとづいて、移動平均法による商品有高帳の記入を行い、月末付けで締め切りなさい。また、当月の売上総利益を答えなさい。
資料2 20X1年7月中の取引
7 月5日 A社に靴35足を@¥4,200で売り渡し、代金は掛けとした。
16 日 B社から靴40足を@¥2,500で仕入れ、代金は掛けとした。なお、引取運賃
¥4,000 は現金で支払った。
24 日 A社に靴30足を@¥4,400で売り渡し、代金は掛けとした。
28 日 A社から掛け代金のうち¥90,000を現金で受け取った。

第2問練習問題|問3 固定資産台帳
次の固定資産台帳(備品)にもとづいて、問に答えなさい。減価償却は残存価額をゼロとする定額法で行っている。期中に取得あるいは売却した場合、減価償却費は月割計算する。決算は毎年3月31日であり、当期はX5年4月1日からX5年3月31日までである。
(1) 空欄①から③に入る金額を答えなさい。
(2) 備品AをX5年12月31日に¥300,000で売却した場合に生じる固定資産売却損益を答えなさい。

簿記3級の第2問問題の解答と解説
解答はこちら
※できれば問題を解き終わってから確認しましょう。
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問1 勘定記入の解説
勘定記入から仕訳がイメージできると問題が簡単に解けます。
問題の日付順に仕訳をしていきましょう・
4月1日 再振替仕訳
20X4 年4月1日 期首にあたり、必要な再振替仕訳を行った。
前払地代勘定の貸方をみると、「4/1(日付) 支払地代(摘要) 400,000(金額)」とあります。
勘定記入にある摘要欄は相手勘定を示しており、このことから4月1日に以下の再振替仕訳がされていることがわかります。
再振替仕訳
4/1 (借) 支払地代 400,000 / (貸) 前払地代 400,000
この仕訳は支払地代勘定の借方側に転記されることになります。
9月1日 地代の支払い
20X4 年9月1日 契約更新にあたり、向こう1年分の地代を当座預金口座から支払った。なお、契約更新に伴い地代の10%の値上げに当社は合意している。
前払地代の勘定をみると、借方側は「4/1 前期繰越 400,000」と記載されています。

前払地代は資産勘定なので、前期に繰り越しされた金額が400,000であると理解できます。
地代は毎年9月1日に1年分を支払っているので、決算日における前払地代は5ヵ月分(4月1日~8月31日)の地代であることがわかりますね。
そのため、前年度の1ヵ月あたりの地代は400,000(前払地代計上額)÷5(ヵ月)=80,000となる。
9月1日に契約更新に伴い地代の10%の値上げがされているので、9月1日の1ヵ月あたりの地代は80,000×1,1=88,000になります。
9月1日に1年分の地代を前払いしたため、支払った1年分の地代は88,000×12=1,056,000であることがわかります。
この金額を当座預金で支払ったため、以下の仕訳を行います。
9/1 (借) 支払地代 1,056,000 / (貸) 当座預金 1,056,000
仕訳後、これを支払地代と当座預金に転記します。
3月31日 決算整理仕訳
20X5 年3月31日 決算にあたり、地代について、月割計算による決算処理と勘定の締め切りを行った。
地代は20X4年9月1日に1年間分が前払いされています。
そのため、決算日において4月1日から8月31日までの5ヵ月分の地代を前払地代として資産に繰り延べます。
前払地代の金額は88,000×5=440,000なので、以下の仕訳を行います。
3/31 (借) 前払地代 440,000 / (貸) 支払地代 440,000
仕訳後、これを前払地代と支払地代に転記します。
問2 商品有高帳の解説
商品有高帳は簿記3級で出題されやすい単元なので、しっかりと問題演習をしておきましょう!
今回は移動平均法によって記入をしていきます。
移動平均法とは、棚卸資産の仕入のたびに平均値を算出して、棚卸資産の評価額を算出する計算法です。
商品有高帳の記入
では記帳をしていきましょう。
まず資料2の取引を見ながら、日付順に商品有高帳に記入します。
まずは、前期繰越の金額をみて、そのまま残高欄に記入しましょう。
残高欄の記入
数量:45 単価:2,000 金額:90,000(45×@2,000)
7月5日 A社に靴35足を@¥4,200で売り渡し、代金は掛けとした。
払出が起きているので、払出欄に記入し、残高欄に記入します。
払出欄の記入
数量:35 単価:2,000 金額:70,000(35×@2,000)
残高欄の記入
数量:10(45-35) 単価:2,000 金額:20,000(90,000-70,000)
16日 B社から靴40足を@¥2,500で仕入れ、代金は掛けとした。なお、引取運賃¥4,000は現金で支払った。
棚卸資産が増加しているので、受入欄に記入します。
受入欄の記入
数量:40 単価:2,600(104,000÷40) 金額:104,000
金額は40×@2,500+4,000(引取運賃)=104,000となります。
104,000を数量40で割って単価が2,600と計算されます。
残高欄の記入
数量:50(10+40) 単価:2,480 金額:124,000(50×@2,480)
単価の計算(平均):(20,000【取引前の残高金額】+40×@2,500【受入金額】+4,000【引取運賃】)÷50(数量)=2,480
24日 A社に靴30足を@¥4,400で売り渡し、代金は掛けとした。
払出欄の記入
数量:30 単価:2,480 金額:74,400(30×@2,480)
残高欄の記入
数量:20(50-30) 単価:2,480 金額:49,600(124,000-74,400)
28日 A社から掛け代金のうち¥90,000を現金で受け取った。
商品の増減に影響はないので、記入の必要はありません。
全ての取引の記入が終わったら締め切ります。
締切時の払出欄の記入
日付は31、摘要欄は次月繰越とする。
数量:20 単価:2,480 金額:49,600(20×@2,480)
受入欄と払出欄の数量、金額合計を計算し一致することを確認する。
開始記入(翌月最初の記入)もする。
解答をまとめると次のようになります。

売上総利益の計算
売上高:279,000
売上高は資料2の売上取引から計算します。
資料2
7 月5日 A社に靴35足を@¥4,200で売り渡し、代金は掛けとした。
16 日 B社から靴40足を@¥2,500で仕入れ、代金は掛けとした。なお、引取運賃
¥4,000 は現金で支払った。
24 日 A社に靴30足を@¥4,400で売り渡し、代金は掛けとした。
28 日 A社から掛け代金のうち¥90,000を現金で受け取った。
計算すると、売上は35×@4,200+30×@4,400=279,000となります
売上原価:144,400
売上原価は売上に対応する商品の払出金額です。
商品有高帳の払出欄に記入している売上取引である7月5日と7月24日の払出金額の合計が売上原価となります。
70,000(7/5の商品有高帳の払出欄の金額)+74,400(7/24の商品有高帳の払出欄の金額)
=144,400
売上総利益 279,000-144,400=134,600
売上総利益=売上高-売上原価で計算します。
問3 固定資産台帳
固定資産台帳に記載されている内容を読み取り、減価償却を主に計算する問いになっています。
(1) 空欄①から③に入る金額
①の空欄(備品Aの期首減価償却累計額)
取得年月日はX3年4月1日です。当期はX5年4月1日からX6年3月31日であるため、期首時点でこの備品は2年使用されています。
そのため2年分の減価償却累計額が期首時点で計上されていることがわかります。
備品Aの減価償却費=(取得原価-残存価額)÷耐用年数
=(500,000-0)÷5
=100,000
期首時点の減価償却累計額=100,000(減価償却費)×2(年)=200,000
そのため、空欄①は200,000となります。
②の空欄(備品Bの期首帳簿価額)
取得年月日はX4年9月1日です。当期はX5年4月1日からX6年3月31日であるため、期首時点でこの備品は7ヵ月使用されています。
備品Bの7ヵ月の減価償却費=(1,200,000-0)÷8÷12×7=87,500
期首減価償却累計額は87,500で、期首時点の帳簿価額は、
1,200,000(取得原価)-87,500=1,125,000
となります。
そのため空欄②は1,125,000となります。
③の空欄(備品Cの減価償却費)
取得年月日はX5年6月1日です。当期はX5年4月1日からX6年3月31日であるため、期末時点でこの備品は10ヵ月使用されています。
備品Cの10ヵ月の減価償却費=(900,000-0)÷6÷12×10=125,000
となります。
そのため、空欄③は125,000となります。
(2) 備品Aの固定資産売却損益
備品Aを12月31日に売却する場合、その時点の帳簿価額は以下の通りとなる。
12月31日時点の備品Aの帳簿価額
300,000(期首帳簿価額)-9ヵ月分の減価償却費(4月1日から12月31日の9ヵ月)
9ヵ月分の減価償却費は、
(500,000-0)÷5÷12×9=75,000
そのため、12月31日時点の備品Aの帳簿価額は300,000-75,000=225,000となる。
備品Aは300,000で売却したため、
300,000(売却金額)-225,000(帳簿価額)=75,000
75,000の売却益が発生する。
そのため解答は、売却益75,000である。
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