簿記3級において減価償却は必ず出題されるといっていいほどの超重要論点です。
計算が複雑な場合もあるため、間違えやすい論点でもあります。
しかし、減価償却の計算や仕訳ができないと簿記3級に合格するのが難しいです。
そのため、減価償却を徹底的に問題演習しておくことは非常に重要です。
私は年間300人以上の学生に簿記を教えている大学教員です。
これまでの指導経験から間違えやすい仕訳については熟知しています。
この記事では簿記3級の減価償却の無料練習問題PDFと解説を提供します。
この記事を読めば、減価償却の仕訳問題や計算は完璧です。
簿記3級の減価償却の出題範囲を網羅しているので、まずは一度問題を解いてみましょう。
その後、解答と解説を確認してみてください。
この記事を使うことで簿記3級の直前チェックが網羅的にでき、簿記3級の合格可能性が大きく高まるでしょう。
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記事の執筆者
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減価償却の無料問題
- 店舗用地1,000㎡を1㎡当たり¥10,000で購入し、仲介手数料、登記料などの付随費用¥500,000とともに小切手を振り出して支払った。
- 決算(年1回)において、建物(取得原価¥5,000,000、耐用年数20年、残存価額ゼロ)の減価償却を行う。なお、減価償却については定額法を用いて、記帳方法は間接法を用いる。
- 決算(年1回)において、備品(取得原価¥2,000,000、耐用年数6年、残存価額:取得原価の10%)の減価償却を行う。なお、減価償却については定額法を用いて、記帳方法は間接法を用いる。
- 取得原価¥2,200,000、減価償却累計額¥1,400,000の車両運搬具を売却し、代金¥1,000,000は月末に受け取ることにした。
- 20X3年7月1日に購入した備品(取得原価¥2,000,000、耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法により減価償却を行っている)が不要となったので、20X4年9月30日に¥900,000で売却し、代金は現金で受け取った。なお、当社の決算日は3月31日で、減価償却費については月割計算により、記帳方法は間接法によって行う。減価償却は月割計算により行い、減価償却累計額勘定を経由せずに直接計上する。
- 20X3年4月1日に購入した建物(取得原価¥8,000,000、耐用年数20年、残存価額ゼロ、定額法により減価償却を行っている)を、20X8年12月31日に¥5,000,000で売却し、代金は小切手で受け取った。なお、建物は20X8年4月1日に大規模修繕を行い¥1,500,000の全額を資本的支出として適切に処理している。なお、当社の決算日は3月31日で、減価償却費については月割計算により、記帳方法は間接法によって行う。減価償却は月割計算により行い、減価償却累計額勘定を経由せずに直接計上する。
解答用紙
簿記3級減価償却問題の解答と解説
解答はこちら
減価償却 仕訳問題1の解説
1.店舗用地1,000㎡を1㎡当たり¥10,000で購入し、仲介手数料、登記料などの付随費用¥500,000とともに小切手を振り出して支払った。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
土地 | 10,500,000 | 当座預金 | 10,500,000 |
①付随費用は取得原価に含めて処理する。
②当社が小切手を振り出す場合、当座預金(資産)の減少として処理する。
店舗用地を購入すると土地(資産)が増加する。
土地の取得金額は1,000㎡×¥10,000で計算すると、¥10,000,000となる。
付随費用が500,000円なので、これを加えると土地(資産)は¥10,500,000となる。
そのため、土地¥10,500,000を借方に計上する。
代金は全て小切手で支払っている。そのため、当座預金(資産)を¥10,500,000減少させる。
つまり、当座預金¥10,500,000を貸方に計上する。
減価償却 仕訳問題2の解説
2.決算(年1回)において、建物(取得原価¥5,000,000、耐用年数20年、残存価額ゼロ)の減価償却を行う。なお、減価償却については定額法を用いて、記帳方法は間接法を用いる。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
減価償却費 | 250,000 | 建物減価償却費累計額 | 250,000 |
①減価償却費を計算する。
②間接法を用いる(○○減価償却費累計額勘定(負債)を用いる)。
まずは定額法による減価償却費を計算します。
減価償却費(定額法)=(取得原価-残存価額)÷耐用年数
上記の公式に当てはめると、
減価償却費=(5,000,000-0)÷20=250,000
となります(電卓で計算しましょう)。
減価償却費(費用)が¥250,000計上されるので、借方(費用の増加は借方に記帳)に計上します。
間接法では減価償却費の金額分、貸方の減価償却累計額勘定(負債)を増加させます。
今回は建物の減価償却なので、建物減価償却累計額勘定を使います。
減価償却 仕訳問題3の解説
3.決算(年1回)において、備品(取得原価¥2,000,000、耐用年数6年、残存価額:取得原価の10%)の減価償却を行う。なお、減価償却については定額法を用いて、記帳方法は間接法を用いる。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
減価償却費 | 300,000 | 備品減価償却費累計額 | 300,000 |
①減価償却費を計算する(残存価額が10%に設定されている点に注意!)。
②間接法を用いる(○○減価償却費累計額勘定(負債)を用いる)。
まず減価償却費を計算します。
減価償却費(定額法)=(取得原価-残存価額)÷耐用年数
上記の公式に当てはめると、
減価償却費=(2,000,000-2,000,000×10%)÷6=300,000
となります。
今回の問題は残存価額が取得原価の10%となっているので、計算に注意しましょう。
減価償却費(費用)が¥250,000計上されるので、借方(費用の増加は借方に記帳)に計上します。
間接法では減価償却費の金額分、貸方の減価償却累計額勘定(負債)を増加させます。
今回は備品の減価償却なので、備品減価償却累計額勘定を使います。
減価償却 仕訳問題4の解説
4.取得原価¥2,200,000、減価償却累計額¥1,400,000の車両運搬具を売却し、代金¥1,000,000は月末に受け取ることにした。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
車両運搬具減価償却累計額 未収入金 | 1,400,000 1,000,000 | 車両運搬具 固定資産売却益 | 2,200,000 200,000 |
①売却時は売却した有形固定資産(資産)を減少させ、計上されている減価償却累計額勘定(負債)を全額を減少させる。
②売却益が生じた場合は固定資産売却益(収益)、売却損が生じた場合は固定資産売却損(費用)を発生させる。
車両運搬具(資産)を¥2,200,000売却したので、それを減少させる(貸方に記帳する)。
また、車両運搬具減価償却累計額(負債)¥1,400,000も売却したため、全額減少させる(借方に記帳する)。
売却代金は¥1,000,000で、後で受け取ることになったため、未収入金勘定(資産)を¥1,000,000増加させる(借方に記帳)
営業外取引で発生する債権は未収入金勘定を用いる。
続いて、売却損益を計算する。
車両運搬具の簿価は、
2,200,000(取得原価)-1,400,000(減価償却累計額)
=800,000
である。
売却金額は¥1,000,000なので、売却損益は
1,000,000-800,000=200,000
で売却益(収益)が発生する。
固定資産売却益¥200,000を貸方に計上する。
減価償却 仕訳問題5の解説
5.20X3年7月1日に購入した備品(取得原価¥2,000,000、耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法により減価償却を行っている)が不要となったので、20X4年9月30日に¥900,000で売却し、代金は現金で受け取った。なお、当社の決算日は3月31日で、減価償却費については月割計算により、記帳方法は間接法によって行う。減価償却は月割計算により行い、減価償却累計額勘定を経由せずに直接計上する。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
備品減価償却累計額 減価償却費 現金 固定資産売却損 | 300,000 200,000 900,000 600,000 | 備品 | 2,000,000 |
①期中(20X4年9月30日)において売却されているので、期中における減価償却費を発生させる。
②売却益が生じた場合は固定資産売却益(収益)、売却損が生じた場合は固定資産売却損(費用)を発生させる。
まずは備品の期首(20X4年4月1日)時点の備品減価償却累計額を算出する。
備品は20X3年7月1日に購入されており、20X4年3月31日までの9ヵ月使用されている。
9ヵ月の減価償却費は、
9ヵ月の減価償却費(定額法)=(取得原価-残存価額)÷耐用年数÷12×9=(2,000,000-0)÷5÷12×9
=300,000
と計算できる。
そのため、期首(20X4年4月1日)時点の備品減価償却累計額は300,000となる。
今回、備品を売却したため、備品¥2,000,000を減少させ(貸方に記帳)、備品減価償却累計額¥300,000を減少させる(借方に記帳)。
売却は20X4年9月30日に行われており、期首(20X4年4月1日)から6ヵ月利用されている。
そのため、6ヵ月分の減価償却費を計上する。
6ヵ月の減価償却費(定額法)=(取得原価-残存価額)÷耐用年数÷12×6=(2,000,000-0)÷5÷12×6
=200,000
減価償却費(費用)を¥200,000発生させる(借方に記帳)。
備品は900,000で売却し、現金を受け取ったため現金900,000を増加させる(借方に記帳)。
これらの減価償却費の計上の結果、売却時点の備品の簿価は次のように計算される。
売却時の備品簿価=取得原価-減価償却累計額-減価償却費=2,000,000-300,000-200,000
=1,500,000
売却代金は900,000であり、売却損益は次のように計算される。
売却損益=売却代金-簿価=900,000-1,500,000
=ー600,000
600,000の売却損が発生するため、固定資産売却損(費用)を600,000発生させる(借方に記帳)。
減価償却 仕訳問題6の解説
6.20X3年4月1日に購入した建物(取得原価¥8,000,000、耐用年数20年、残存価額ゼロ、定額法により減価償却を行っている)を、20X8年12月31日に¥5,000,000で売却し、代金は小切手で受け取った。なお、建物は20X8年4月1日に大規模修繕を行い¥1,500,000の全額を資本的支出として適切に処理している。なお、当社の決算日は3月31日で、減価償却費については月割計算により、記帳方法は間接法によって行う。減価償却は月割計算により行い、減価償却累計額勘定を経由せずに直接計上する。
解答↓
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
建物減価償却累計額 減価償却費 現金 固定資産売却損 | 2,000,000 375,000 5,000,000 2,125,000 | 建物 | 9,500,000 |
簿記3級|減価償却問題まとめ
減価償却は簿記3級において非常に重要な論点です。
問題を繰り返しとくことで、減価償却の計算について完璧に準備して確実に得点することが大切です。
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