【簿記3級】給料の無料仕訳問題と解説|大学教員が解説

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無料問題&解説

簿記3級において給料に関連する取引は源泉徴収などの天引きがあり、仕訳が複雑です。

そのため、出題頻度も高く、間違えやすい論点です。

しかし、練習問題をしっかり解き対策をしておけば確実に仕訳問題で1問を取ることができ、合格可能性も高まるでしょう。

私は年間300人以上の学生に簿記を教えている大学教員です。

これまでの指導経験から間違えやすい仕訳については熟知しています。

この記事では簿記3級の給料に関する取引の無料練習問題PDF解説を提供します。

この記事を読めば、給料の仕訳問題や計算は完璧です。

簿記3級の給料の出題範囲を網羅しているので、まずは一度問題を解いてみましょう。

その後、解答と解説を確認してみてください。

この記事を使うことで簿記3級の直前チェックが網羅的にでき、簿記3級の合格可能性が大きく高まるでしょう。

以下の記事では簿記3級の直前仕訳チェック問題を無料で提供しているので、興味のある人は合わせてご活用ください。

記事の執筆者

会計ラボ
会計ラボ

・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。

・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。

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【簿記3級】給料の無料問題PDF

  1. 従業員の家庭用品購入代金¥50,000円を立て替えて、現金で支払った。
  2. 本日分の従業員給料総額¥500,000円の支払いに関して所得税の源泉徴収額¥20,000円、従業員負担の会社保険料80,000円及び、従業員に立替払いしていた¥50,000円を差し引いた残額を当座預金口座から従業員の預金口座に振り込んだ。
  3. 前月の従業員給料から差し引いた所得税の源泉徴収額¥20,000円を税務署に現金で納付した。
  4. 従業員に対する給料¥500,000円の支給に際して、所得税の源泉徴収分¥25,000円、住民税の源泉徴収分¥26,000円および健康保険・厚生年金・雇用保険の社会保険料合計80,000円を控除し、当社の普通預金口座から従業員の銀行口座へ振り込んだ。
  5. 本年度の従業員にかかる雇用保険料¥60,000円を一括で現金納付した。このうち従業員負担分は¥15,000円(月額相当額1,250円)で残額負担は当社負担である。従業員負担分については4月から6月までの3ヶ月分は、毎月の給料から月額相当額を差し引いて支給しているが、7月以降の9ヶ月分については、一旦会社が立て替えて支払い、その後の毎月の給料から精算することとしている

答案用紙

簿記3級給料仕分け問題の解答と解説

簿記3給給料仕分け問題は解くだけでなく方法について把握しておく必要もあります。どのような解答、またなぜそうなるのか解説があると、より内容を把握して理解できるでしょう。それぞれ5つの問題と解答の解説について内容を紹介します。

給料 仕訳問題1の解説

1.家庭用品購入代金¥50,000円は会社の内部で従業員に立替えしているため、借方科目では従業員立替金として処理する必要があります。貸方では現金での支払いになっているため、¥50,000円をそのまま金額として記入しておきましょう。そのため、以下の表のような金額として記入します。

解答↓

借方科目金額貸方科目金額
 従業員立替金50,000  現金50,000      
ポイント

①家庭用品購入代金は借方科目で、従業員立替金として記入
②貸方科目では現金として同じ金額を記載しておく。

押さえておきたいポイントは、借方科目で従業員立替金以外として記載してしまうと、間違いになる点です。現金払いしているため、そのまま「現金」と記載してしまう方もいるかもしれませんが、立替金として支払っているため、項目記載でミスしないよう注意してください。

また、借方科目と同じで貸方科目に従業員立替金と記載してしまう方もいるかもしれません。しかし、貸方の場合は何で支払っているのかがポイントになり、今回は現金なので項目に記載します。

金額においては、それそれ同じなので記載ミスは無いはずですが、それぞれの科目の書き方は注意していないとミスする可能性もあります。それぞれのポイントに注意してください。

給料 仕訳問題2の解説

2.本日分の従業員給料総額¥500,000円の支払いに関して所得税の源泉徴収額¥20,000円、従業員負担の会社保険料80,000円及び、従業員に立替払いしていた¥50,000円を差し引いた残額を当座預金口座から従業員の預金口座に振り込んだ。

解答↓

借方科目金額貸方科目金額
給料   500,000当座預金
所得税預り金
社会保険料預り金
従業員立替金    
350,000
20,000
80,000
50,000
ポイント

①借方科目には給料、金額は全額を記載する
②貸方科目は、給料の内訳として当座預金、所得税預り金、社会保険料預り金、従業員立替金をそれぞれ記載して、金額を記入する。

今回の取引では従業員の給料総額の中から、所得税の源泉徴収額、社会保険料、従業員の立替払いをしています。

給料は支払った時点で会社の費用となるため、給料金額の総額を借方に記帳します。

貸方には所得税の源泉徴収額、社会保険料、従業員の立替払いの内容を適切に処理し、当座現金(資産)の減少を記帳します。

源泉徴収額は会社が従業員が納めるべき所得税を一時的に預かった金銭であり、後で税務署に納付することとなります。

預かった金銭は「預り金」勘定(負債)として処理しますが、通常の「預り金」と区別するため「所得税預り金」勘定(負債)を用います。今回の所得税の源泉徴収額は¥20,000なので、¥20,000の「所得税預り金」(負債)を貸方に計上します。

社会保険料の源泉徴収額も同様に従業員が負担する社会保険料を一時的に預かることを意味します。

社会保険料の源泉徴収額は¥80,000で、「社会保険料預り金」勘定(負債)¥80,000を貸方に計上します。

また、従業員への立替金¥50,000を給料支払い時に差し引き、清算したため資産に計上されている「従業員立替金」勘定(資産)を¥50,000減らします(貸方に計上)。

当座預金として減少する計算式としては以下のようになります。

500,000円(給料)−20,000円(所得税預り金)−80,000円(社会保険料預り金)−50,000円(従業員預り金)=350,000円

つまり当座預金の金額は350,000円と記載すれば問題ないので、この計算式も把握しておきましょう。

給料 仕訳問題3の解説

3.前月の従業員給料から差し引いた所得税の源泉徴収額¥20,000円を税務署に現金で納付した。

解答↓

借方科目金額貸方科目金額
所得税預り金   20,000現金20,000
ポイント

①源泉徴収税は所得税預り金として記載
②貸方科目には現金として同じ金額を記載

問題のポイントになるのは、借方科目に何を記載するべきかです。何に支払っているのかを確認すると、記載すべき内容が分かります。

今回の取引は所得税の源泉徴収額¥20,000を税務署に現金で納付しています。つまり、従業員から預かっていた所得税の源泉徴収額を支払ったという取引に読み替えられます。

所得税の源泉徴収額は「所得税預り金」勘定(負債)として貸方に計上されていましたが、この取引でこの義務を果たしましたので、「所得税預り金」勘定(負債)を減らすために借方に計上します。金額は¥20,000です。

現金で支払いをしているので「現金」勘定(資産)を減らすために貸方に同金額を記載します。

問題としては難しい内容ではないので、落ち着いて見極めるようにしましょう。

給料 仕訳問題4の解説

4.従業員に対する給料¥500,000円の支給に際して、所得税の源泉徴収分¥25,000円、住民税の源泉徴収分¥26,000円および健康保険・厚生年金・雇用保険の社会保険料合計80,000円を控除し、当社の普通預金口座から従業員の銀行口座へ振り込んだ。

解答↓

借方科目金額貸方科目金額
給料


500,000


普通預金
所得税預り金
住民税預り金
社会保険料預り金
369,000
25,000
26,000
80,000
ポイント

①借貸方科目では所得税の源泉徴収税は「所得税預り金」(負債)、住民税の源泉徴収額は「住民税預り金」(負債)、社会保険料は「社会保険料預り金」(負債)として処理する
②普通預金は給料から、それぞれの各預り金を差し引いて計算する

ポイントになるのは、従業員に対して給料¥500,000を支払うのと同時に源泉徴収を行っている点です。

内容としては問題②と同じ部分が多いため、借方科目と貸方科目の記載内容について、同様の方法で仕訳をすることができます。

問題②と異なる点は住民税の源泉徴収がある点です。

まずは給料¥500,000を支払ったので、「給料」勘定(費用)¥500,000を借方に記載します。

源泉徴収や社会保険料の控除を行っているため、それぞれ○○預り金(負債)として処理します。

所得税の源泉徴収額→「所得税預り金」勘定(負債)として貸方に記載

住民税の源泉徴収額→「住民税預り金」勘定(負債)として貸方に記載

社会保険料の控除→「社会保険料預り金」勘定(負債)として貸方に記載

最後に普通預金の支払い金額を計算します。計算式は以下のようになります。

500,000円(給料)−25,000円(所得税預り金)−26,000円(住民税預り金)−80,000円(社会保険料預り金)=369,000円

計算ができたら、「普通預金」勘定(資産)を減らすために、普通預金¥369,000を貸方に計上します。

それぞれの支払いに対して差し引く際、計算ミスをしないように電卓を使用するのも1つの方法です。借方の金額と貸方の金額は合わせなくてはいけないので、最後に計算が合っているのかチェックしてください。

給料 仕分け問題5の解説

5.本年度の従業員にかかる雇用保険料¥60,000円を一括で現金納付した。このうち従業員負担分は¥15,000円(月額相当額1,250円)で残額負担は当社負担である。従業員負担分については4月から6月までの3ヶ月分は、毎月の給料から月額相当額を差し引いて支給しているが、7月以降の9ヶ月分については、一旦会社が立て替えて支払い、その後の毎月の給料から精算することとしている。

解答↓

借方科目金額貸方科目金額
法定福利費
社会保険料預り金
従業員立替金
45,000
3,750
11,250
現金

60,000

ポイント

①従業員負担分の雇用保険料の控除は「社会保険料預り金」(負債)として処理済み。納付した際は、負債の減少として借方に記載。
②当社負担分の雇用保険料は「法定福利費」(費用)で処理。
③従業員負担分の雇用保険料について当社が立て替えた金額については「従業員立替金」(資産)として、借方に記載。

問題⑤のポイントになるのは、雇用保険を一括で支払っていながら、その中で1.給料から天引き済みの従業員負担分の雇用保険料2.会社負担分の雇用保険料3.会社が立て替えた従業員負担分の雇用保険料がある点です。

この場合、借方と貸方のどちらに雇用保険と金額を記載するのか悩むはずです。

今回の場合、借方側に内訳の項目を記載する必要があります。それぞれの金額と項目は以下の通りです。

1.給料から天引き済みの従業員負担分の雇用保険料→納付した時点で「社会保険料預り金」(負債)を減少させるために借方に記載。3ヶ月分の雇用保険料は既に給料から天引きされており、「社会保険料預り金」の金額は月額1,250円×3ヵ月=3,750円と計算される。

2.会社負担分の雇用保険料→「法定福利費」(費用)として借方に記載。金額は60,000円(合計)-15,000円(従業員負担分合計)=45,000円。

3.会社が立て替えた従業員負担分の雇用保険料→「従業員立替金」(資産)として借方に記載(「立替金」でも可)。金額は、月額1,250円×9ヵ月=11,250円と計算される。

応用問題で少しややこしい部分はありますが、内容をしっかり把握すれば金額も計算して解答できます。

簿記3級|給料の仕訳問題まとめ

簿記3級の給料仕分け問題について内容を解説してきました。それぞれの問題をよく読んで、考慮すれば、仕分けの部分は間違え

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