公認会計士は1年で合格することはできる?
1年で合格を目指すのは無謀?
公認会計士は3大国家資格の1つで、難易度は非常に高いです。
将来の就職に活かすため、キャリアアップを目指すため、給料の高い仕事に就くために、公認会計士の資格取得を目指している方もいるでしょう。
できれば短期合格を目指したいですよね。
1年で合格を目指すことは可能なのでしょうか?
私は年間300人の学生に簿記を教えている大学教員です。
学生の指導経験をもとに公認会計士は1年で合格可能なのか徹底解説します!
記事の執筆者
・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。
・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。
公認会計士合格者の60%がCPA会計学院出身です。
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公認会計士は1年で合格できるのか?
公認会計士の資格を早く取得したいなら、できれば1年という短期間で合格を得たいはずです。
ただ、結論から言うと1年という期間で合格するのは極めて難しいと言えます。
もちろん、1年で合格している方もいるため不可能ではありませんが、難しいと言える理由があるので紹介します。
合格に必要な勉強時間を1年で行うのは困難
公認会計士に必要な勉強時間は、最低でも3,000時間と言われています。
もし、1年で合格を目指そうと思うなら、300日と仮定して最低でも10時間は学習しなくてはいけません。
仮に1年間毎日学習するとしても1日8時間ほどは勉強しなくてはならず、社会人であれば仕事があるので不可能に近いです。
大学生も講義やテスト、他の行事もあるはずなので難しいはずです。
また、毎日長時間の学習をすることは、ストレスや集中力という点でも厳しく、途中で断念してしまうケースも考えられます。
2年のスパンで考えるとゆとりが出てきます。
スケジュールの管理が難しい
公認会計士の合格を1年で目指すのは、スケジュールの管理という側面でも難しいです。
上記でも紹介しましたが、学習時間を確保しなくてはいけないので、勉強のためにスケジュールを立てなくてはいけません。
仮に、毎日の学習時間を計画できても例えば、急な用事が入ってしまう、体調を崩してしまうなど、予想外のことが起きればスケジュールを組み直さなくてはいけません。
ただ、1年での合格を目指す計画だと、勉強時間を別に確保するのが難しく、調整も厳しくなります。そのため、公認会計士の合格を1年で目指すのは厳しいと言えるでしょう。
プレッシャーが大きくなる
1年という短期間で公認会計士の合格を目指すなら、プレッシャーを大きく感じてしまうはずです。
1年で勉強して知識を取り入れなくてはいけないので、少しの隙間時間も「学習しなくては」という思いになります。
また、公認会計士は科目数も多く、暗記問題から応用まで幅広いため、自分の苦手な項目ができてしまうと、理解できないことで精神的にきつい状況になる可能性もあるでしょう。
プレッシャーが大きくなると却って学習効率が落ちてしまう、またはモチベーションの低下や体調不良などデメリットが大きくなるケースもあります。
結果的に最短合格どころか試験勉強を諦めてしまう場合もあるため、本末転倒となるリスクも高いです。
公認会計士の学習を最短で合格するコツ
公認会計士の合格は1年という期間で学習スケジュールを立てるのは、現実的に厳しいと言えます。
基本的には2〜3年のスパンで計画を立てて学習していきます。
ただ、公認会計士の合格を目指すなら、できれば最短期間で合格したいはずです。どのようなコツを押さえておくべきか紹介しましょう。
自分に合わせた教材を使用する
公認会計士は範囲が広く難易度も高いため、教材で何を選ぶのかがポイントです。
参考書や問題集を購入して手当たり次第に勉強していく方法もありますが、解説などがしっかりしていないケースもあるため、効率的な方法ではありません。
教材でも例えば予備校が提供しているものや専門家が出している動画などであれば、問題を分かりやすく解説してくれているため、理解しやすいはずです。
特に、動画だと映像により説明にもレパートリーが広がるため、文字だけ観るテキストよりも吸収しやすい方もいるはずです。
もちろん、テキストでの教材も必要ですが、自分に合うものを組み合わせ手効率的に学習していくようにしましょう。
分からない問題は放置しない
分からない問題は放置しないことも大事です。
公認会計士の試験出題の範囲は広く、専門的な用語も多いので、計算や会計などの知識がない人にとっては、分からない部分もあるでしょう。
もちろん、多少の経験者でも分からない内容は多いですが、後回しにして放置するのは避けるべきです。
分からない問題をどんどん飛ばしていくと、次に応用する問題を解くことができなくなる、また誤った解釈のまま勉強してしまうことになり、合格率が下がってしまいます。
分からない問題があるときは、解決できるようにテキストの説明や動画での説明をチェックするなどして理解してから進めていく必要があります。
自分が苦手に思う科目があるなら、地道に反復練習をするなどして対策を取るようにしましょう。
予備校に通って学習する
公認会計士の合格を最短期間で勝ち取るためには、予備校に通うことが重要です。
独学でも公認会計士の試験に合格できる可能性はありますが、試験範囲が広く、応用問題なども複雑であるため、かなり苦戦します。
勉強効率も良いとは言えないので、最短期間で合格したいなら予備校で専門の講師から指導してもらうのが1番良い方法です。
予備校ではカリキュラムの提供や講師による丁寧な解説などがあるので、自分が苦手な科目や問題があっても直ぐにコツを押さえて、理解できる可能性があります。
また、予備校によっては教室だけではなく、オンラインで学習できるように整備されているところもあるため、自分の状況に応じて選択もできます。
最短合格するためには予備校に通うのが最適なので考えてみましょう。
公認会計士に1年で合格した人の体験談
中には公認会計士を1年で合格する強者もいます。
その事例を紹介しましょう。
無職専念受験のAさん
勉強期間:約1年
予備校・コース:CPA会計学院、2年速習コース
勉強環境:最初の2ヵ月は働きながら、それ以降は勉強に専念
合格:5月短答に合格、その年の8月に論文合格
事前知識:大学・職種ともに会計に関係無し、簿記2・3級は受験の3年前に取得済み
8月~9月
仕事をしながらなので、毎日2~3時間の勉強時間しか確保できず。答練も低い点数しか取れず。
10月~11月
仕事を辞め、勉強に専念。しかし、集中力が続かず勉強時間は思ったよりも確保できなかった。
12月
危機意識を感じて、予備校の講師に相談。生活習慣を見直し、勉強時間を確保。わからないところは講義ビデオを見返して復習するなど、勉強方法を抜本的に見直しした。
1月
監査論の勉強が始まる。勉強方法の見直しの効果があり、答練の点数も安定。
2月~3月
企業法の勉強が始まる。財務会計、管理会計の講義は試験範囲を全て終了。講師と相談して勉強スケジュールを見直し。
4月
本番の試験と同様レベルの答練・模試を受ける。模試の点数は低く、勉強量の足りなさを実感。
5月
短答式試験を受験。それなりの手ごたえは感じたが、よくわからない。自己採点の結果では合格点。
6月上旬
論文式試験に向けて租税法と経営学の勉強を開始。毎日1~2コマのペースで講義を受講。租税法と経営学に特化して学習。
6月下旬から論文式試験まで
ひたすらテキスト、論文答練を繰り回す。1日に全ての試験科目に1度は触れるように時間を組み立てて学習。
働きながら取得したBさん
勉強期間:約1年1か月
予備校・コース:クレアール
勉強環境:BIG4監査法人に監査トレーニーとして入社し勉強
合格:5月短答に合格、その年の8月に論文合格
事前知識:前職はコンサルティング、簿記2級は受験の1年前に取得済み
8月~11月
学んだ内容を4日程度で薄く浅く1周復習(テキストを速読し、各ページの内容をとにかく見て理解し、分からないところは声に出して頭に叩き込む)。11月開催の簿記1級に合格。
12月~5月
簿記・管理会計論の計算問題には毎日手を付けて知識が抜け落ちないように注意した。
短答式試験の苦手科目を作らないように注意した(短答式は全科目合計で75%以上で合格できる)。
直前期は答練ベースで問題を解くようにし、短答式の本試験問題に近い答練をひたすら繰り返し解いた。
5月に短答式試験に合格。
6月~8月
租税法と選択科目(経営学)の学習を開始。テキスト例題を解く時間はないので、最初は解けなくても答練で問題演習を繰り返す。
苦手科目を作らないように意識(論文式は偏差値40%未満の科目があれば全科目合格はできなくなるため)。
8月に順位は800番で合格。
1年の短期合格者の共通点
2人の短期合格者の共通点は次の通りです。
- 簿記資格を試験前に取得していた
- 予備校に通う
- 短答式試験まではその試験科目に集中
- 答練・模試問題をひたすら繰り返す
- 短答式合格後に租税法と選択科目を勉強
- 選択科目は経営学
時間がない中で集中して勉強に取り組んでいることがわかります。
短答式合格後に租税法と経営学の勉強をスタートしており、本番まで2ヵ月弱とかなりタイトなスケジュールで学習しているようです。
公認会計士の予備校の選び方
公認会計士を最短で合格するためには予備校に通うのが最適です。
専門的な分野を早く理解するなど、効率的に学習するためにも利用を前向きに考えるべきです。
ただ、公認会計士の予備校を選ぶときはポイントを把握しておくのも重要です。どのようなポイントがあるのか以下をご覧ください。
合格者の実績を確認
短期間での合格を目指すために予備校を利用するなら、実績の有無をチェックすべきです。
予備校の中でも毎年合格者を出しており、割合も大きいなど細かくチェックしておくと、指導の仕方やカリキュラムなどが分かりやすいという信頼が高くなります。
予備校のホームページにアクセスすると、合格者の人数や受験生の声なども掲載されており、より自分に合うのかチェックできます。
口コミの評価もチェックすると、より最適なスクールを選びやすいので確認してください。
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また、CPA会計学院を含むおすすめの公認会計士資格スクールは以下の記事で紹介していますので、併せてご覧下さい。
費用を支払えるか
予備校を選ぶときは、費用を支払えるのか確認しておくのも重要です。
予備校の相場は50〜70万円と言われていますが、それぞれ費用設定が異なります。
費用が高額で支払いが難しい場合、継続して授業を受けることができないため、中途半端に終わってしまう可能性があります。
そのため、授業期間での費用と自分の資金に問題ないのをチェックして選んでください。
公認会計士の短期間での合格まとめ
公認会計士の試験を合格するためには1年という期間だと厳しいため、2〜3年でスケジュールを組むようにしましょう。
また、独学では短期間で合格するのは厳しいため、予備校に通って講師の指導を受けるのが最適です。
ぜひ、今から計画して公認会計士の試験対策を行うようにしてください。
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