
公認会計士と会計士って、何が違うの?
結論を先にお伝えすると、「公認会計士」と「会計士」は基本的に同じ意味です。
「会計士」とは「公認会計士」を省略した呼び方に過ぎません。
ただし、「会計士」という言葉には複数の使われ方があり、「企業内(組織内)会計士」「米国公認会計士(USCPA)」など、文脈によって指す職業が異なることがあります。
この記事では、それぞれのケースについて丁寧に解説します。
また、混同されやすい税理士との違いについても、資格・業務内容・年収の3つの観点から比較しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
記事の執筆者

・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。
・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。
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公認会計士とは?基本をおさえよう

公認会計士とは、公認会計士名簿に登録されている会計士を指します。英語では Certified Public Accountant(CPA)と表記され、「公的に認められた会計士」という意味です。
公認会計士の使命は、公認会計士法第1条に次のように定められています。
公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。公認会計士法第1条(e-gov法令検索より)
つまり、公認会計士は単なる「計算の専門家」ではなく、国民経済を支えるために財務情報の信頼性を守るという重大な使命を担っています。医師・弁護士と並ぶ「三大国家資格」と称されるのも納得です。
公認会計士になるための要件
公認会計士として正式に名乗るためには、試験合格だけでは不十分です。以下の要件をすべて満たす必要があります。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①国家試験合格 | 公認会計士・監査審査会が実施する試験(短答式・論文式)に合格 |
| ②業務補助 | 監査法人などで2年以上の実務経験を積む |
| ③実務補修の修了 | 日本公認会計士協会が実施する実務補修を修了し、修了考査に合格 |
| ④名簿への登録 | 内閣総理大臣の確認を経て、公認会計士名簿に登録 |
名簿に登録されると「公認会計士等検索システム」に表示され、誰でも確認できるようになります。
【結論】公認会計士と会計士の違い

多くの方が気になる「公認会計士と会計士の違い」ですが、答えはシンプルです。「会計士」は「公認会計士」の略称であり、両者に実質的な違いはありません。
法令上「会計士」という独立した資格は存在せず、「公認会計士」が正式名称です。業界内では読みやすさや会話の流れで「会計士」と省略して呼ぶことがよくあります。
ただし、会計の実務に従事している方が「会計士」と自称するケースもゼロではありません。この場合、公認会計士との違いは「公式名簿への記載有無」となります。
| 比較項目 | 公認会計士 | (省略した意味での)会計士 |
|---|---|---|
| 正式名称 | 公認会計士(正式) | 公認会計士の略称 |
| 名簿登録 | あり(必須) | 同じ(登録済み) |
| 資格 | 国家資格 | 同じ国家資格 |
| 業務内容 | 監査・税務・コンサルなど | 同じ |
| 実質的な違い | ほぼなし(呼び方の違いのみ) | |
公認会計士の主な業務内容
公認会計士の業務は大きく「独占業務」と「非独占業務」に分かれます。
独占業務:監査
監査は公認会計士だけが行える独占業務です(公認会計士法第2条)。企業が作成した財務諸表が正しく作成されているか、第三者として客観的に検証し、監査報告書にまとめます。
上場企業は金融商品取引法により公認会計士監査が義務付けられています。また、国や地方公共団体から補助金を受けている学校法人・社会福祉法人なども監査対象です。
非独占業務
- 税務業務:税理士登録することで、税務申告や税務相談も対応可能
- コンサルティング業務:経営戦略の立案、企業再生計画、M&Aアドバイザリーなど
- 会計業務:財務状況の把握・分析・経営判断への活用
公認会計士と企業内(組織内)会計士の違い

「企業内(組織内)会計士」とは、一般企業の経理・財務部門で働く会計の専門家を指します。
公認会計士資格保持者が企業に転職することもありますが、資格がなくても「企業内会計士」と呼ばれることがあります。
資格の違い
監査法人などで外部監査業務を行うためには公認会計士資格が必須ですが、企業内会計士は公認会計士資格がなくても就くことができます。
日商簿記検定(1・2級)や税理士資格保持者が企業内会計士として活躍するケースも多くあります。
業務内容の違い
「公認会計士と組織内会計士の業務内容はどのような違いがあるのか?」と疑問を感じるケースもあるでしょう。
まず、公認会計士の場合は監査や税務、コンサルティング、会計の4つの業務に従事できます。
監査であれば企業や法人が作成した決算書、財務諸表などを確認して、公正に処理されているのかしっかりチェックします。
税務であれば売上や利益、諸費用の記帳について確認し、正確に算出しているのかチェッしなくてはいけません。コンサルティングでは、企業の経営戦略や業務改善などのアドバイスを、会計は財務状況を把握して経営判断に役立てます。
一方、企業内会計士は会計のプロとして経理業務を担当するケースがありますが、監査やアドバイザー、コンサルタントなどの業務は従事しません。
会社の組織の一員として働き、経理以外に財務業務やIR業務などを行うケースもあります。
| 業務 | 公認会計士(監査法人等) | 企業内(組織内)会計士 |
|---|---|---|
| 監査 | ◎(独占業務) | × |
| 税務 | ○(税理士登録後) | △(税理士資格必要) |
| コンサルティング | ○ | △(社内限定) |
| 経理・財務 | △ | ◎ |
| IR業務 | × | ○(上場企業の場合) |
企業内会計士は会社の一員として、経理業務や財務報告、IR(投資家向け広報)などに従事します。
外部の複数クライアントに対応する公認会計士と異なり、一つの企業の内部から会計を支える役割です。
年収の違い
公認会計士(監査法人勤務)の平均年収は約750〜800万円程度です。
一方、企業内会計士の平均年収は500〜600万円程度が目安となりますが、勤務先の規模や役職、保有資格によって大きく変わります。
公認会計士の方が年収は高いといえそうです。
公認会計士と米国公認会計士(USCPA)の違い

米国公認会計士(USCPA / U.S.CPA)は、米国の各州が実施する試験に合格することで取得できる資格です。
国際的な認知度が高く、日本でも外資系企業やコンサルティングファームで重宝されています。
資格の違い
| 比較項目 | 日本の公認会計士(CPA) | 米国公認会計士(USCPA) |
|---|---|---|
| 試験実施主体 | 公認会計士・監査審査会(日本) | 米国各州 |
| 活動できる地域 | 日本国内 | 取得州+MRA参加国 |
| 受験資格 | 特になし(誰でも受験可) | 州ごとに要件あり(学歴要件等) |
| 難易度 | 高(合格率約8〜10%) | 中(合格率約50%前後・科目別) |
| 国際的認知度 | 国内中心 | 高い |
業務内容の違い
業務の大枠は会計・監査・税務・コンサルティングと共通していますが、日本でUSCPAが日本の公認会計士と異なる点として、「監査報告書への署名・押印」ができないという点があります。
これは日本の公認会計士だけに認められた業務です。
USCPAが日本の監査法人に就職することは可能ですが、監査報告書に署名押印したい場合は日本の公認会計士資格が別途必要になります。
年収の違い
日本の公認会計士(大手監査法人勤務)の年収は600〜800万円程度が目安です。
USCPAは働き方によりますが、スタッフクラスで600〜850万円、マネージャー以上では1,000万円超になるケースもあります。
外資系企業や国際的な業務を扱う環境では、USCPAの市場価値は非常に高いです。
公認会計士と税理士の違い【最も混同されやすい比較】

「公認会計士と税理士、何が違うの?」という質問は非常によく聞かれます。どちらも会計・税務に関わるプロですが、資格の根拠法・独占業務・試験制度がまったく異なります。
一覧表で比較
| 比較項目 | 公認会計士 | 税理士 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 公認会計士法 | 税理士法 |
| 独占業務 | 財務諸表監査(監査業務) | 税務代理・税務書類作成・税務相談 |
| 主な顧客 | 上場企業・大企業 | 中小企業・個人 |
| 試験合格率 | 約8〜10% | 各科目10〜20%程度 |
| 試験形式 | 短答式+論文式(一括合格型) | 科目合格制(5科目選択) |
| 平均年収 | 約750〜800万円 | 約600万円 |
| 相互の資格取得 | 公認会計士→税理士登録可 | 税理士→公認会計士にはなれない |
独占業務の違い
最も重要な違いは独占業務です。
公認会計士の独占業務は「財務諸表監査」です。企業が作成した財務諸表が正しく作成されているかを第三者として検証します。上場企業は金融商品取引法によりこの監査が義務付けられているため、公認会計士の需要は安定しています。
税理士の独占業務は「税務業務」です。具体的には、税務代理(税務署とのやり取りの代行)・税務書類の作成・税務相談の3つです。個人や中小企業の税務申告を専門に扱います。
なお、公認会計士は税理士登録を行うことで税務業務も担当できますが、税理士が公認会計士の独占業務である監査を行うことはできません。
試験の難易度の違い
公認会計士試験は合格率が約8〜10%と非常に難関で、一般に合格まで2,000〜5,000時間の学習が必要といわれています。税理士試験は科目合格制のため、働きながら少しずつ合格を積み重ねられる点が特徴です。
年収の違い
公認会計士の平均年収は約750〜800万円。税理士の平均年収は約600万円程度ですが、独立して自分の事務所を持ち、顧客を拡大できれば1,000万円超も十分に可能です。公認会計士でも独立・パートナー昇格によって年収が大きく変わります。
どの資格を目指すべき?選び方のポイント
「公認会計士・税理士・USCPA、どれを目指せばいいの?」という疑問にお答えします。それぞれの資格の特徴を踏まえ、自分の目標や状況に合わせて選ぶことが大切です。
| こんな人には… | おすすめの資格 |
|---|---|
| 大企業の監査に携わりたい、高い社会的地位を目指したい | 公認会計士(日本) |
| 税金の専門家として中小企業・個人を支えたい | 税理士 |
| 外資系・グローバルな環境で活躍したい | 米国公認会計士(USCPA) |
| 企業の経理・財務部門でキャリアを積みたい | 日商簿記1・2級 → 企業内会計士 |
私は大学で年間300人以上の学生に会計を教えていますが、「何のために会計を学ぶのか」というゴールを先に明確にすることが、資格選びの一番のポイントだといつも伝えています。
よくある質問(FAQ)
Q. 「会計士」と名乗るだけなら資格は不要ですか?
A. 「会計士」という名称自体に法的な規制はなく、会計実務に従事している方が自称することは可能です。ただし、「公認会計士」と名乗るためには国家資格と名簿登録が必須です。
Q. 公認会計士が税理士の仕事をすることはできますか?
A. はい、可能です。公認会計士は税理士登録を行うことで、税務代理や税務申告書の作成など、税理士の独占業務を行うことができます。
Q. 公認会計士と税理士、難しいのはどちらですか?
A. 一般的には公認会計士試験の方が難しいとされています。合格率は公認会計士が約8〜10%、税理士は科目ごとに10〜20%程度です。試験の形式も異なり、公認会計士は一定期間内に全科目まとめて合格する必要があります。
Q. 公認会計士試験に合格したら、すぐに公認会計士と名乗れますか?
A. いいえ、試験合格後に監査法人等での2年以上の実務経験と実務補修修了、名簿登録が必要です。試験合格者は「公認会計士試験合格者」であり、名簿登録が完了して初めて「公認会計士」となります。
まとめ:公認会計士と会計士の違い
この記事の内容をまとめます。
- 公認会計士と会計士の違い:基本的に同じ。「会計士」は「公認会計士」の略称
- 企業内(組織内)会計士との違い:企業内会計士は資格が不要なケースもあり、業務範囲は社内の経理・財務が中心
- 米国公認会計士(USCPA)との違い:活動地域・監査報告書への署名権限などが異なる
- 税理士との違い:独占業務・根拠法・試験制度がすべて異なる。公認会計士は税理士登録が可能
公認会計士は日本の三大国家資格の一つとして、社会経済を支える重要な役割を担っています。どの資格を目指すかは、自分が「どんな仕事をしたいか」「どんなキャリアを歩みたいか」という視点から考えるのが近道です。
2025年の合格者数1,092人、合格者占有率は66.7%と脅威の合格実績を誇るCPA会計学院。
なんと、公認会計士講座入門テキスト・問題集と講義動画を無料で配布しています。
公認会計士講座の入門無料フルカラーテキスト(全395ページ)、問題集(全326ページ)、解説動画(全6回)が資料請求ですぐに受けられるのはCPA会計学院だけ!
資料請求するだけで、今すぐに勉強が始められます。
無料配布はいつまで続くかはわからないので、気になった人は今すぐ資料請求!
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