簿記1級の勉強法完全ガイド|勉強時間とスケジュール総まとめ

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簿記1級

簿記1級の勉強法を調べても情報が多すぎて、結局どこから手をつければいいかわからない

簿記2級までは独学でなんとかなったのに、1級になったとたん出題範囲は一気に広がり、合格体験記を読むたびに「自分にも本当にできるのだろうか」という不安が募っていく。

そんな声を、私は大学で会計学を教える中で、数えきれないほど聞いてきました。

実は、簿記1級の勉強でつまずきやすいポイントには、多くの学習者に共通する傾向があります。

「何をどれだけ勉強すればいいのか」「独学のままでいいのか、講座を使うべきか」——同じ壁の前で立ち止まっている人は、決して少なくないのです。

この記事では、簿記1級の勉強法について、必要な勉強時間の目安からスケジュールの立て方、独学か講座かの判断基準、科目別のつまずきやすいポイントまで、大学で会計学・財務会計を教える研究者としての視点も交えて整理してお伝えします。

読み終える頃には、「今の自分は何をすればいいのか」という漠然とした不安が、具体的な次の一歩に変わっているはずです。焦らず、着実に合格へ近づいていきましょう。

記事の執筆者

会計ラボ
会計ラボ

・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。

・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。

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簿記1級とはどんな試験か?2級との本当の違い

まずは簿記1級がどのような試験なのか、基本情報から確認していきましょう。

試験科目と試験時間(商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算)

簿記1級は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目で構成されています。2級までは「商業簿記」「工業簿記」の2科目でしたが、1級ではそれぞれに理論を深める「会計学」「原価計算」が加わり、科目数が倍になります。

科目試験時間
商業簿記・会計学90分
工業簿記・原価計算90分
合計180分(3時間)

※簿記1級は2026年時点で統一試験(ペーパー形式)のみ実施されており、2級・3級で導入されているネット試験(CBT方式)の対象にはなっていません。試験は年2回(6月・11月)実施されるため、受験機会が限られる点も押さえておきましょう。

合格基準(総合70%以上・科目別40%未満で不合格)

簿記1級の合格基準は少し独特です。

  • 4科目合計で70%以上の得点が必要
  • ただし、1科目でも得点率が40%未満だと、合計点に関わらず不合格

つまり「得意科目でカバーする」戦略が通用しにくく、苦手科目を作らないことが合格の絶対条件になります。

【大学教員の視点】2級と1級の違いは「暗記量」ではなく「理解の深さ」

教育現場で学習者を見ていると、2級までは得意だったのに1級で急につまずく人には、ある共通点があります。

それは、仕訳のパターンを覚えることで乗り切ってきた学習が、1級では通用しなくなるということです。

1級では「なぜその処理をするのか」という会計理論的な背景まで問われる場面が増えます。単純な暗記量の増加ではなく、求められる思考の質そのものが変わる——ここを意識できるかどうかが、最初の分かれ道になると感じています。

簿記1級に必要な勉強時間とスケジュールの立て方

独学の場合に必要とされる勉強時間の目安

簿記1級の学習に必要な時間は、資料によって幅がありますが、おおむね500〜1,000時間程度を目安とする情報が多く見られます(学習経験や2級までの土台によって個人差が大きく、1,000時間以上かかるケースも珍しくありません)。

2級合格までにかかった時間の3〜5倍程度を見込んでおくと、心構えとしては現実的です。

半年〜1年で合格を目指す学習ロードマップ例

期間学習の重点
学習開始〜3ヶ月4科目の全体像をインプット。まずは一通りテキストに触れる
4〜6ヶ月目頻出論点を中心に演習を重ね、基礎〜標準レベルの問題を固める
7〜9ヶ月目苦手科目をつぶし、40%未満になりうる科目をなくす
試験直前期過去問・予想問題演習を中心に、時間配分の感覚を仕上げる

※あくまで一般的な目安であり、学習開始時点の実力や1日に確保できる時間によって調整が必要です。

社会人・学生それぞれの時間確保の工夫

  • 社会人:通勤時間での理論暗記、始業前の30分〜1時間を過去問演習に充てるなど「隙間時間」の積み重ねが鍵
  • 学生:まとまった時間を確保しやすい反面、モチベーション維持のために学習仲間や目標設定の工夫が必要

独学か、通信講座・予備校か——自分に向いているのはどちらか

独学が向いている人の特徴

  • 簿記2級までを独学で乗り越えた経験がある
  • 学習計画を自分で立て、遅れを自己管理できる
  • わからない論点を自力で調べて解決する粘り強さがある

講座を利用したほうがよい人の特徴

  • 2級までも講座や学校の授業で学んできた
  • 仕事や学業と両立するため、学習計画そのものを効率化したい
  • 「なぜそうなるのか」を体系的に説明してもらいたい

【大学教員の視点】教育現場で見た「独学で伸びる人・つまずく人」の分かれ目

独学で順調に進む学習者に共通するのは、「わからない」を放置しない習慣があることです。逆につまずきやすいのは、理解が曖昧なまま先に進み、後から一気に苦手が積み重なってしまうケースです。

1級は範囲が広いため、疑問を先送りするほど後の負担が大きくなります。

独学であっても講座であっても、「立ち止まって理解する時間」を意識的に確保できるかどうかが、最終的な合否を分けているように思います。

簿記講座(通信・予備校)という選択肢を検討する

「自分で理解を深める時間の確保が難しい」「体系的に教えてもらいたい」と感じる方は、通信講座や予備校の利用も現実的な選択肢です。

近年は公認会計士試験で実績のあるCPA会計学院が提供する「CPAラーニング」のように、無料で1級講座を受講できるサービスも登場しており、費用面のハードルは以前より下がっています。

各社で講義スタイルや料金体系、サポート内容は異なるため、いくつかの講座を比較したうえで、自分の学習スタイルに合うものを選ぶとよいでしょう。

科目別の勉強法とつまずきやすいポイント

商業簿記・会計学の対策

商業簿記・会計学では、連結会計や企業結合など、2級までにはなかった論点が加わります。個々の処理を覚えるだけでなく、「なぜこの処理が必要なのか」という会計基準の考え方まで理解しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

工業簿記・原価計算の対策

工業簿記・原価計算は、計算量が多く、得点源にも失点源にもなりやすい科目です。

標準原価計算や直接原価計算など、2級より一段深い論点が登場するため、基本パターンを反復して「型」を体に覚え込ませることが有効です。

【大学教員の視点】受験生が最もつまずく論点とその根本原因

教育現場で見ていると、多くの学習者が同じような論点でつまずく傾向があります。

その根本原因の多くは、論点そのものの難しさよりも、前提となる2級レベルの理解が曖昧なまま先に進んでしまっていることにあります。

1級の学習でつまずいたときは、新しい論点を追いかける前に、一度2級の基礎に立ち返って確認してみることをおすすめします。遠回りに見えて、実は最短ルートであることが多いです。

モチベーションを保ち、挫折を防ぐ方法

過去問・模試の正しい使い方

本番の試験も、過去問と同じレベル・傾向の問題が中心に出題されます。過去問は「解けるかどうかの確認」だけでなく、合格ラインとの距離を測るものさしとして活用しましょう。

学習仲間・SNSの活用

1級の学習は長期戦になりやすく、孤独を感じやすいのも事実です。学習記録をSNSで発信したり、同じ資格を目指す仲間を見つけたりすることで、モチベーションを維持しやすくなります。

伸び悩んだときの立て直し方

模試の点数が伸び悩む時期は、多くの受験生が経験するものです。焦って新しい教材に手を広げるのではなく、「なぜこの問題を間違えたのか」を一つひとつ言語化する作業に立ち返ることで、着実に力がついていくケースをよく目にします。

簿記1級を取得した後のキャリア・次のステップ

就職・転職での評価のされ方

簿記1級は、経理・会計分野において高い専門性の証明になり得る資格です。

ただし、資格そのものが必ず特定の評価や成果を保証するものではなく、実務経験と合わせて評価される点は理解しておきましょう。

税理士試験・公認会計士試験へのステップアップ

簿記1級に合格すると、税理士試験の受験資格の一つを満たすことができます。

※2023年度以降、税理士試験の会計科目(簿記論・財務諸表論)については受験資格の制限が撤廃されましたが、税法科目には引き続き受験資格が必要とされています。最新の要件は国税審議会・国税庁の公式情報でご確認ください。

また、簿記1級で身につけた知識は、公認会計士試験の学習の土台としても活かせます。

1級の先に何を見据えるべきか

簿記1級は、それ自体がゴールにも、次の資格へのステップにもなり得る資格です。私自身、教育現場で「1級合格後にどう進むか」を悩む学習者を多く見てきました。大切なのは、1級を取ってから考えるのではなく、学習を始める段階で「その先に何を目指すか」をうっすらとでも描いておくことです。目指す先が公認会計士なのか、税理士なのか、あるいは実務でのスキルアップなのかによって、学習の力の入れどころも変わってきます。

簿記1級 勉強法に関するよくある質問(FAQ)

Q. 簿記1級の勉強時間はどれくらい必要ですか?
A. 独学の場合、一般的に500〜1,000時間程度が目安とされていますが、個人差が大きく、これより多くかかる方も少なくありません。

Q. 簿記1級は独学でも合格できますか?
A. 独学での合格は可能ですが、学習範囲の広さから、スケジュール管理と「わからない」を放置しない姿勢が特に重要になります。

Q. 簿記2級と1級では勉強法は大きく変わりますか?
A. 出題範囲が広がるだけでなく、暗記中心から理解中心の学習へと質的な転換が求められる点が大きな違いです。

Q. 簿記1級はネット試験(CBT)で受けられますか?
A. 2026年時点では、簿記1級は統一試験(ペーパー形式)のみで実施されています。ネット試験は2級・3級が対象です。

Q. 簿記1級を取得すると何に役立ちますか?
A. 就職・転職でのアピール材料になるほか、税理士試験の受験資格の一つを満たすことができます。ただし資格取得が特定の成果を保証するものではない点にはご留意ください。

次の一歩を考えている方へ

「独学で進めるべきか、通信講座・予備校を使うべきか、もう少し具体的に比較したい」という方は、当ブログの簿記講座比較記事もあわせてご覧ください。ご自身の学習スタイルや使える時間に合った選択肢が見つかるはずです。

また、無料で講義を受けられるCPAラーニングのような選択肢も含めて、資料請求や無料体験から情報収集を始めてみるのも一つの方法です。

簿記1級の勉強方法|まとめ

簿記1級は、2級までとは出題範囲も求められる理解の深さも大きく変わる試験です。だからこそ、闇雲に勉強時間を積み重ねるのではなく、「今の自分に何が必要か」を把握したうえで学習を進めることが合格への近道になります。

  • 4科目の全体像と合格基準(総合70%以上・科目別40%未満は不合格)を理解する
  • 自分に必要な勉強時間とスケジュールの目安を把握する
  • 独学か講座か、自分の学習スタイルに合った方法を選ぶ
  • 苦手科目を作らず、つまずいた論点は2級の基礎に立ち返って確認する

この記事で紹介した視点を参考に、焦らず、一歩ずつ学習を積み重ねていってください。簿記1級で身につけた知識は、資格取得後のキャリアや、その先の学びにも確実につながっていきます。

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