日商簿記は企業から最も求められ、注目されている資格の一つです。
簿記2級まで習得できれば高度な商業簿記、工業簿記の知識があるとみなされるため就職や転職にも有利になります。
しかし、簿記2級に独学で合格するのは厳しいと言われていることはご存知でしょうか。
簿記3級を独学で合格し、次のステップとして簿記2級の勉強を始めようとする人も少なくないでしょう。
しかしながら簿記3級を独学で突破できたとしても、独学での簿記2級は厳しい挑戦なのです。
今回は簿記２級の独学が厳しいと言われる理由や、独学できる人の特徴などを紹介していきます。
記事の執筆者
・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。
・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。
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簿記スクールの詳細は以下の記事でご紹介しています。
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簿記の独学が厳しい理由5選
簿記2級の独学が厳しい理由は主に5つです。
3級に独学で合格できたから2級も大丈夫と高を括る前に、独学で簿記２級に合格することが難しいとされるポイントを頭に入れておきましょう。
①合格率が低い
②学習範囲が広い
③重要ポイントを絞ることができない
④全体像を掴むのが難しい
⑤費用が思った以上にかさむことも
合格率が20%前後と低く、年々難しくなっている
簿記2級の合格率は20％前後です。
つまり8割が不合格になっているのが現実です。
さらに簿記の合格率は年々低くなっています。
簿記2級は2016年から3年間かけて出題範囲の大幅改定を行っています。
その中でかつては簿記1級の試験範囲であった連結会計・税効果会計・本支店会計・リース取引・外貨建取引の論点が簿記2級に加わりました。
さらに2021年からは試験時間も短縮され、スピードと正確性が重視されるようになってきました。
商工会議所が公開している簿記2級の合格率推移をみてみましょう。
平均合格率は以下の通りです。
120〜129回(2008.11〜2011.11)：32.22%
130〜139回(2012.2〜2015.2)：29.35%
140〜149回(2015.6〜2018.6年)：23.92%
150〜159回(2018.11〜2021.11)：18.99%
簿記2級は取得が難しくなっていっていることが明らかです。
簿記2級の市場価値を上げるために今後も難しくなっていくことも十分に考えられます。
簿記2級は学習範囲が広い
簿記3級では商業簿記のみでしたが簿記２級になると工業簿記も学習する必要があります。
商業簿記の内容も難しくなります。
工業簿記は慣れるまでは時間がかかりますし、商業簿記の暗記量も膨大になるため、勉強がなかなか進まないことから挫折してしまうこともあるでしょう。
また、インプットが終わり問題に取りかかると、想像以上に問題が解けないこともよくあります。
参考書を一通り終えても、過去問などで点数が取れないと努力が報われていない気持ちになり、挫折してしまうかもしれません。
このように、3級では独学でもスムーズに進んでいた勉強が、簿記2級になると思うように進まず、やる気をなくすケースが多いです。
重要ポイントを絞ることができない
試験に出るポイントが絞りきれないので、テキストの全てを網羅しようとすると効率の悪い勉強になります。
そのため、なかなか合格に結びつきません。
実際の試験は問われる部分は決まっていますので、テキスト全てを暗記する必要はないです。
また、独学でつまづくと連鎖的に理解が難しくなり、難しい問題に直面している気持ちになります。
簿記２級の全体像をつかむことが難しい
簿記2級の知識は、実は各項目が根本ではつながっているものが多く、基本に従って応用が可能です。
講座などを受講し、全体像を理解している講師の説明を聞けば各ポイントがスムーズにつながっていきます。
しかし独学の場合は知識をつなげて考えることが難しく、1問1問がバラバラの知識としてインプットされてしまいます。
そのため、知識の幅が広がりにくいというデメリットがあります。
独学のメリットであったはずの費用の効果すらなくなることも
独学は講座費用がかからないことが大きなメリットです。
しかし、独学で不合格を繰り返すと結果的に費用がかさむことになります。
必要な費用としては再受験料やそのための交通費、または追加で問題集を購入する際の費用などがあるでしょう。
独学では無理だと気づいても、ここまでお金を出して頑張ったのだからとなかなか切り替えられなくなる要因でもありますね。
独学での勉強を始めると、時間もお金も無駄にしてしまう可能性もあります。
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簿記2級の独学が向いている人・向いていない人
これまで簿記2級を独学で合格する難しさを伝えてきましたが、独学で合格できる人も一定数います。
独学で簿記2級を合格できる人とできない人の違いはどのようなところにあるのでしょうか。
これから詳しく解説していきます。
向いている人
簿記2級の独学に向いている人はまず、「簿記3級を独学で学習し知識を自分のものにできている人」です。
実際のところ簿記3級は付け焼き刃の知識でかろうじて合格することも可能でしょう。
一方、独学で参考書を網羅し、簿記の基礎全体を理解している人であれば簿記2級を独学で進めても合格できる可能性は高いと言えます。
目安としては簿記3級の試験で90点以上取れているかどうかです。
また、簿記2級は簿記3級の商業簿記に加え工業簿記に関する知識を問われる上、内容も専門的になってきます。
そのため「知識を幅広く身につけるための効率的な学習ができる人」が独学に向いているでしょう。
きちんとスジューリングをして効率的に学習を進めないと簿記2級の出題範囲を勉強することは難しいでしょう。
向いていない人
簿記2級の独学に向いていない人は「簿記3級の知識を自分のものにできていない人」でしょう。
簿記3級の知識は簿記２級を受験する上では基本中の基本です。
なので簿記2級を受験する際に簿記３級の知識がなければ、またいちから学習する必要がありとても時間がかかります。
簿記3級をギリギリで合格した場合や、簿記3級に合格してから時間がたっている場合も、簿記２級の独学には向いていません。
また「自分で問題解決をすることが苦手な人」も簿記2級の独学には向いていません。
自分で調べることが苦手ですぐに答えを求めてしまう人は、なかなか知識が定着せず、簿記2級のような幅広い知識を身につけて行くことは難しいでしょう。
そのような人は講座などを受けて、大事なところだけ重点的に学習をする方法の方が向いています。
簿記2級を独学で勉強する方法
ここからは、簿記2級を独学で目指すと決心した人に向けて、その勉強方法をアドバイスしていきたいと思います。
テキスト＆問題集
簿記2級だけでなく、資格試験の勉強方法の基本はインプット3割アウトプット7割で勉強することです。
まずは知識をつけながら試験範囲の概要を把握するため、教科書、参考書で基本的な知識をインプットします。
その次に問題集や過去問を解いてアウトプットを行い、自分の弱点を知りながらさらに学習を進めることが大事です。
模擬試験のアウトプット用に問題集も用意しておくのがオススメです。
無料サイトを利用する
簿記２級は無料サイトで学習することも可能です。
特に「CPAラーニング」は完全無料で質の高い学習ができるととても人気です。
CPAラーニングはCPA会計学院が運営しており、内容も教科書、基本問題集、試験対策問題集、解答用紙、模擬試験ととても充実しています。
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独学が難しいと感じる人は通信講座を活用しよう
独学が難しいと感じる人は、サポート体制が充実している通信講座を利用するのがオススメです。
近くに対面講座を受けられるスクールがある人はそれらを利用するのも手です。
今は気軽に利用できるネットスクールが充実しているので自分に合ったものを選ぶと効果的に学習ができます。
簿記2級の独学は厳しい｜まとめ
簿記2級は年々難易度が高くなっており、出題範囲も広いので独学での合格は厳しいと言えます。
しかし簿記の基礎がしっかりしておりコツコツと学習できる人であれば厳しいと言われている独学でも、簿記2級に合格することは十分可能でしょう。
この記事で紹介した簿記級の厳しさや勉強方法を参考に、自分に合った勉強方法で簿記2級の合格を目指してください。
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