テキストで先入先出法と移動平均法を読んだときはわかったつもりなのに、いざ商品有高帳の問題を解くと、払出単価がずれたり、返品をどの欄に書くか迷ったりする…。そんな不安を感じていませんか?
商品有高帳の計算そのものは、足し算と掛け算だけです。間違いの多くは、「原価で書くか売価で書くか」「いつ平均単価を出し直すか」といった、書く前の判断で起こります。
私は年間300人以上の学生に簿記を教えている大学教員です。このページでは、簿記3級の商品有高帳の問題を8問用意しました。払出単価の基本計算から、返品・引取運賃を含む記入と締切、仕入帳・売上帳から作る第2問形式の総合問題まで、段階的に確認できます。
各問の直後に「解答を見る」「解説を見る」があり、解説ではよくある間違いとその理由も示しています。自信がない方は基本から、腕試しをしたい方は本試験レベルから、下のリンクで問題へ進んでください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題数 | 8問(基本3問・標準3問・本試験レベル2問) |
| 形式 | 空欄補充・帳簿作成・仕訳(第2問対策) |
| 所要時間 | 50分程度 |
問題へジャンプ
※このページは2027年4月1日以降の試験(2027年度適用の出題区分表)に合わせています。問8で扱う「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」は、2027年3月31日までの試験では3級の範囲外です。
【共通の前提】
- 問8を除き、商品売買は三分法で記帳しています。
- 消費税は考慮しません。会社名・取引先名はすべて架空です。
- 商品有高帳の摘要欄は「前月繰越」「仕入」「売上」「仕入戻し」「売上戻り」「次月繰越」を使います。
簿記3級 無料問題 > 簿記3級 第2問の問題 > 商品有高帳
記事の執筆者

・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。
・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。
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解く前に1分で確認|商品有高帳の書き方のポイント

商品有高帳はすべて「原価」で書く
商品有高帳は、商品ごとに「いくつ・いくらで仕入れて、いくつ・いくらの分を払い出したか」を記録する補助簿です。受入・払出・残高のどの欄も、仕入原価で記入します。売価(売った値段)は、商品有高帳には出てきません。
先入先出法と移動平均法の違い
| 方法 | 払出単価の決め方 |
|---|---|
| 先入先出法 | 先に仕入れたものから先に払い出したと考える。単価の違う残高は、行を分けて書く |
| 移動平均法 | 仕入れるたびに「残高の金額合計÷残高の数量」で平均単価を出し直し、その単価で払い出す |
返品・引取運賃はどの欄に、いくらで書くか
| 取引 | 記入する欄 | 単価 |
|---|---|---|
| 引取運賃(当社負担) | 受入欄(仕入と同じ行) | 運賃を含めた単価 |
| 仕入戻し | 払出欄 | 仕入れたときの単価 |
| 売上戻り | 受入欄 | 払い出したときの単価(原価) |
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【簿記3級】商品有高帳の問題の無料pdf
帳簿の記入は紙のほうが解きやすいので、印刷して使うのがおすすめです。
解答はこちら
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【基本】商品有高帳の計算問題(問1〜問3)の解説
問1 先入先出法の払出単価と金額
次の資料にもとづいて、×7年5月の商品有高帳(先入先出法)の空欄①〜⑨に、数量・単価・金額を記入しなさい。
| 日付 | 取引 |
|---|---|
| 5/1 | 前月繰越 20個 @¥500 |
| 5/8 | 仕入 30個 @¥560 |
| 5/15 | 売上 35個 @¥800(売価) |
| 5/15の行 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 払出(1行目) | ① | ② | ③ |
| 払出(2行目) | ④ | ⑤ | ⑥ |
| 残高 | ⑦ | ⑧ | ⑨ |
解答を見る
| 5/15の行 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 払出(1行目) | ①20 | ②500 | ③10,000 |
| 払出(2行目) | ④15 | ⑤560 | ⑥8,400 |
| 残高 | ⑦15 | ⑧560 | ⑨8,400 |
解説を見る
▼考え方の手順
- 払い出す35個のうち、まず先に仕入れた前月繰越の20個(@500)を払い出します。20×500=10,000。
- 足りない15個は、次に仕入れた5月8日分(@560)から払い出します。15×560=8,400。
- 5月8日分の30個のうち15個が残るので、残高は15個 @560 8,400です。
▼よくある間違い(なぜ間違えるか)
- 払出欄に売価の@800を書いてしまう。資料に売価が出てくると、それを使いたくなるためです。商品有高帳は原価で書く帳簿です。
- 35個を1行にまとめ、平均した単価で書いてしまう。先入先出法では、単価が違う分は行を分けて書きます。
▼関連する無料テキスト・問題
→簿記3級 商品有高帳の無料テキスト
問2 移動平均法の平均単価の計算
次の資料にもとづいて、×7年6月の商品有高帳(移動平均法)の空欄①〜⑤に、単価または金額を記入しなさい。
| 日付 | 取引 |
|---|---|
| 6/1 | 前月繰越 40個 @¥300 |
| 6/5 | 仕入 60個 @¥350 |
| 6/12 | 売上 50個 |
| 6/20 | 仕入 50個 @¥370 |
| 6/25 | 売上 70個 |
| 空欄 | 内容 | 記入するもの |
|---|---|---|
| ① | 6月5日の残高の単価 | 単価 |
| ② | 6月12日の払出の金額 | 金額 |
| ③ | 6月20日の残高の単価 | 単価 |
| ④ | 6月25日の払出の金額 | 金額 |
| ⑤ | 6月25日の残高の金額 | 金額 |
解答を見る
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
|---|---|---|---|---|
| 330 | 16,500 | 350 | 24,500 | 10,500 |
解説を見る
▼考え方の手順
- 6月5日:残高は40個+60個=100個、金額は12,000+21,000=33,000。平均単価は33,000÷100=330です。
- 6月12日:50個を@330で払い出し、50×330=16,500。残高は50個 16,500です。
- 6月20日:残高は50個+50個=100個、16,500+18,500=35,000。平均単価は350です。
- 6月25日:70×350=24,500を払い出し、残高は30個、35,000−24,500=10,500です。
▼よくある間違い(なぜ間違えるか)
- ①を(300+350)÷2=325にしてしまう。単価を単純に平均すると、数量の違いが反映されません。「金額の合計÷数量の合計」で出します。
- 6月20日の仕入後に単価を出し直さず、@330のまま払い出してしまう。移動平均法は仕入れるたびに単価が変わります。
問3 商品有高帳から売上原価と売上総利益を求める
次の商品有高帳(先入先出法)と販売価格の資料にもとづいて、×7年4月の①売上高、②売上原価、③売上総利益を答えなさい。
商品有高帳(先入先出法)×7年4月
| 日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 4/1 | 前月繰越 | 30個 @400 12,000 | 30個 @400 12,000 | |
| 4/9 | 仕入 | 50個 @420 21,000 | 30個 @400 12,000 | |
| 50個 @420 21,000 | ||||
| 4/16 | 売上 | 30個 @400 12,000 | ||
| 30個 @420 12,600 | 20個 @420 8,400 | |||
| 4/23 | 仕入 | 40個 @450 18,000 | 20個 @420 8,400 | |
| 40個 @450 18,000 | ||||
| 4/28 | 売上 | 20個 @420 8,400 | ||
| 10個 @450 4,500 | 30個 @450 13,500 |
【販売価格】4月16日の売上は1個あたり¥700、4月28日の売上は1個あたり¥720である。 解答を見る
| ①売上高 | ②売上原価 | ③売上総利益 |
|---|---|---|
| 63,600 | 37,500 | 26,100 |
解説を見る
▼考え方の手順
- 売上高は売価で計算します。60個×700+30個×720=42,000+21,600=63,600。
- 売上原価は、商品有高帳の払出欄の合計です。12,000+12,600+8,400+4,500=37,500。
- 売上総利益は、63,600−37,500=26,100です。
- 検算:前月繰越12,000+当月仕入39,000−月末残高13,500=37,500で、売上原価と一致します。
▼よくある間違い(なぜ間違えるか)
- 払出欄の合計37,500を「売上高」と答えてしまう。商品有高帳の数字はすべて原価なので、売上高は別に売価から計算します。
- 前月繰越の12,000まで売上原価に含めてしまう。売上原価は払い出した分だけです。
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【標準】商品有高帳の記入問題(問4〜問6)の解説
問4 先入先出法で1か月分を記入し締め切る
次の資料にもとづいて、×7年7月の商品有高帳を先入先出法により記入し、月末に締め切りなさい。締め切りにあたっては、7月31日に次月繰越を払出欄に記入して受入欄と払出欄の合計を一致させ、8月1日に前月繰越を記入すること。
| 日付 | 取引 |
|---|---|
| 7/1 | 前月繰越 10個 @¥1,000 |
| 7/6 | 仕入 20個 @¥1,100 |
| 7/12 | 売上 15個 @¥1,600(売価) |
| 7/19 | 仕入 15個 @¥1,200 |
| 7/26 | 売上 22個 @¥1,700(売価) |
解答欄:商品有高帳(先入先出法)×7年7月(すべての欄を記入すること)
| 日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 7/1 | 前月繰越 | 10個 @1,000 10,000 | 10個 @1,000 10,000 | |
| 7/6 | ||||
| 7/12 | ||||
| 7/19 | ||||
| 7/26 | ||||
| 7/31 | ||||
| (合計) | 45個 50,000 | 45個 50,000 | ||
| 8/1 |
解答を見る
| 日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 7/1 | 前月繰越 | 10個 @1,000 10,000 | 10個 @1,000 10,000 | |
| 7/6 | 仕入 | 20個 @1,100 22,000 | 10個 @1,000 10,000 | |
| 20個 @1,100 22,000 | ||||
| 7/12 | 売上 | 10個 @1,000 10,000 | ||
| 5個 @1,100 5,500 | 15個 @1,100 16,500 | |||
| 7/19 | 仕入 | 15個 @1,200 18,000 | 15個 @1,100 16,500 | |
| 15個 @1,200 18,000 | ||||
| 7/26 | 売上 | 15個 @1,100 16,500 | ||
| 7個 @1,200 8,400 | 8個 @1,200 9,600 | |||
| 7/31 | 次月繰越 | 8個 @1,200 9,600 | ||
| (合計) | 45個 50,000 | 45個 50,000 | ||
| 8/1 | 前月繰越 | 8個 @1,200 9,600 | 8個 @1,200 9,600 |
解説を見る
▼考え方の手順
- 受入の行(前月繰越・仕入)を先に書き、残高欄は単価ごとに行を分けて並べます。
- 7月12日:古い@1,000の10個をすべて払い出し、残り5個を@1,100から払い出します。
- 7月26日:@1,100の残り15個をすべて払い出し、残り7個を@1,200から払い出します。残高は8個 @1,200 9,600です。
- 締め切り:月末の残高を「次月繰越」として払出欄に書き、受入合計と払出合計(どちらも45個・50,000)が一致することを確かめます。
- 8月1日に「前月繰越」として、受入欄と残高欄に8個 @1,200 9,600を書きます。
▼よくある間違い(なぜ間違えるか)
- 次月繰越を受入欄や残高欄に書いてしまう。締め切りは「受入合計=払出合計」にするための作業なので、次月繰越は払出欄です。
- 7月19日の残高を「30個 @1,150」のようにまとめてしまう。先入先出法では、単価が違う残高を混ぜません。
問5 移動平均法で仕入返品・引取運賃を記入する
次の資料にもとづいて、×7年8月の商品有高帳を移動平均法により記入し、月末に締め切りなさい。締め切りにあたっては、8月31日に次月繰越を払出欄に記入して受入欄と払出欄の合計を一致させ、9月1日に前月繰越を記入すること。なお、仕入戻しは払出欄に記入すること。
| 日付 | 取引 |
|---|---|
| 8/1 | 前月繰越 40個 @¥250 |
| 8/4 | 仕入 60個 @¥290 |
| 8/7 | 8月4日に仕入れた商品のうち20個を、品違いのため返品した(仕入戻し) |
| 8/15 | 売上 50個 @¥450(売価) |
| 8/22 | 仕入 70個 @¥280。このほか、引取運賃¥700(当社負担)を現金で支払った |
| 8/28 | 売上 60個 @¥460(売価) |
解答欄:商品有高帳(移動平均法)×7年8月(すべての欄を記入すること)
| 日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 8/1 | 前月繰越 | 40個 @250 10,000 | 40個 @250 10,000 | |
| 8/4 | ||||
| 8/7 | ||||
| 8/15 | ||||
| 8/22 | ||||
| 8/28 | ||||
| 8/31 | ||||
| (合計) | 170個 47,700 | 170個 47,700 | ||
| 9/1 |
解答を見る
| 日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 8/1 | 前月繰越 | 40個 @250 10,000 | 40個 @250 10,000 | |
| 8/4 | 仕入 | 60個 @290 17,400 | 100個 @274 27,400 | |
| 8/7 | 仕入戻し | 20個 @290 5,800 | 80個 @270 21,600 | |
| 8/15 | 売上 | 50個 @270 13,500 | 30個 @270 8,100 | |
| 8/22 | 仕入 | 70個 @290 20,300 | 100個 @284 28,400 | |
| 8/28 | 売上 | 60個 @284 17,040 | 40個 @284 11,360 | |
| 8/31 | 次月繰越 | 40個 @284 11,360 | ||
| (合計) | 170個 47,700 | 170個 47,700 | ||
| 9/1 | 前月繰越 | 40個 @284 11,360 | 40個 @284 11,360 |
解説を見る
▼考え方の手順
- 8月4日:残高は100個、10,000+17,400=27,400で、平均単価は@274です。
- 8月7日:仕入戻しは、仕入れたときの単価@290で払出欄に書きます(5,800)。残高は80個 21,600で、平均単価を@270に出し直します。
- 8月15日:@270で50個を払い出し、13,500。残高は30個 8,100です。
- 8月22日:当社負担の引取運賃は仕入原価に含めます。(70×280+700)÷70=@290。残高は100個 28,400で、平均単価は@284です。
- 8月28日:@284で60個を払い出し、17,040。残高は40個 11,360です。
- 締め切り:受入合計と払出合計(どちらも170個・47,700)が一致することを確かめます。
▼よくある間違い(なぜ間違えるか)
- 引取運賃を商品有高帳に書かない(8月22日の受入単価を@280のままにする)。運賃は現金の支払いとして別に処理するので、商品の原価だという意識が薄れがちです。
- 仕入戻しを受入欄にマイナスで書いてしまう。返品は商品が出ていく取引なので、払出欄です。
- 仕入戻しのあと、平均単価を出し直さずに@274のまま払い出してしまう。単価の違う@290の商品が抜けたので、残高の単価も@270に変わります。
問6 先入先出法と移動平均法で売上原価・期末棚卸高を比べる
次の資料にもとづいて、×7年9月の売上原価・月末商品棚卸高・売上総利益を、(A)先入先出法と(B)移動平均法のそれぞれで答えなさい。
| 日付 | 取引 |
|---|---|
| 9/1 | 前月繰越 20個 @¥600 |
| 9/5 | 仕入 30個 @¥650 |
| 9/10 | 売上 15個 @¥1,000(売価) |
| 9/12 | 9月10日に売り上げた商品のうち5個が、品違いのため返品された(売上戻り) |
| 9/20 | 仕入 25個 @¥682 |
| 9/26 | 売上 45個 @¥1,050(売価) |
※売上戻りは、払い出したときの単価(原価)で受入欄に記入する。先入先出法では、9月10日の払出単価@¥600で受け入れ、同じ単価の残高に加えること。
※売上高は、売上戻りを差し引いた純額で計算すること。
| 売上原価 | 月末商品棚卸高 | 売上総利益 | |
|---|---|---|---|
| (A)先入先出法 | ① | ② | ③ |
| (B)移動平均法 | ④ | ⑤ | ⑥ |
解答を見る
| 売上原価 | 月末商品棚卸高 | 売上総利益 | |
|---|---|---|---|
| (A)先入先出法 | ①34,910 | ②13,640 | ③22,340 |
| (B)移動平均法 | ④35,550 | ⑤13,000 | ⑥21,700 |
解説を見る
▼考え方の手順
- 純売上高は15個×1,000+45個×1,050−戻り5個×1,000=57,250。2つの方法で共通です。
- (A)先入先出法:9/10に@600で15個(9,000)を払い出し、9/12に戻り5個を@600で受け入れ(3,000)。9/26の45個は@600×10個(6,000)+@650×30個(19,500)+@682×5個(3,410)=28,910。売上原価=9,000−3,000+28,910=34,910、月末は20個×682=13,640。
- (B)移動平均法:9/5の平均単価は@630。9/10に9,450を払い出し、9/12に戻り5個を@630で受け入れ(3,150)。9/20の平均単価は(25,200+17,050)÷65=@650。9/26に45個×650=29,250。売上原価=9,450−3,150+29,250=35,550、月末は20個×650=13,000。
- 売上総利益は、それぞれ57,250から売上原価を引いて求めます。
- 検算:前月繰越12,000+当月仕入36,550=48,550は、どちらの方法でも「売上原価+月末棚卸高」と一致します。
▼方法によって数字が変わる理由
この問題のように仕入単価が上がっていく時期は、先入先出法では古い安い単価から払い出すため、売上原価が小さく、月末棚卸高が大きくなります。差額640円(13,640−13,000)が、そのまま売上総利益の差になります。
▼よくある間違い(なぜ間違えるか)
- 売上戻りを売価の@1,000で受入欄に書いてしまう。売上の取消しは売上高の側で処理し、商品有高帳には原価で戻します。
- 売上原価から売上戻りの3,000(または3,150)を差し引き忘れる。戻ってきた商品は、売れなかったものとして扱います。
- 売上高から戻りの5,000を差し引き忘れる。問題文の「純額で計算」の指示を確認しましょう。
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【本試験レベル】第2問形式の商品有高帳の問題(問7・問8)の解説
問7 仕入帳・売上帳の資料から商品有高帳を作成し売上総利益を求める
当社は商品Xを販売している。次の仕入帳と売上帳(いずれも×7年10月)にもとづいて、(1)商品有高帳を移動平均法により記入して締め切り、(2)10月の純売上高・売上原価・売上総利益を答えなさい。10月1日の前月繰越は30個 @¥800である。締め切りにあたっては、10月31日に次月繰越を払出欄に記入して受入欄と払出欄の合計を一致させ、11月1日に前月繰越を記入すること。売上戻りは払い出したときの単価(原価)で受入欄に記入すること。
仕入帳
| 日付 | 摘要 | 金額 |
|---|---|---|
| 10/4 | B商店 掛け 商品X 70個 @¥850 | 59,500 |
| 〃 | 引取運賃(当社負担)現金払い | 3,500 |
| 10/18 | E商店 掛け 商品X 55個 @¥910 | 50,050 |
売上帳
| 日付 | 摘要 | 金額 |
|---|---|---|
| 10/9 | C商店 掛け 商品X 60個 @¥1,300 | 78,000 |
| 10/11 | C商店 売上戻り(10/9分)商品X 5個 @¥1,300 | 6,500 |
| 10/25 | D商店 掛け 商品X 70個 @¥1,350 | 94,500 |
解答欄(1)商品有高帳(移動平均法)×7年10月
| 日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 10/1 | 前月繰越 | 30個 @800 24,000 | 30個 @800 24,000 | |
| 10/4 | ||||
| 10/9 | ||||
| 10/11 | ||||
| 10/18 | ||||
| 10/25 | ||||
| 10/31 | ||||
| (合計) | 160個 141,400 | 160個 141,400 | ||
| 11/1 |
解答欄(2)
| ①純売上高 | ②売上原価 | ③売上総利益 |
|---|---|---|
解答を見る
(1)
| 日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 10/1 | 前月繰越 | 30個 @800 24,000 | 30個 @800 24,000 | |
| 10/4 | 仕入 | 70個 @900 63,000 | 100個 @870 87,000 | |
| 10/9 | 売上 | 60個 @870 52,200 | 40個 @870 34,800 | |
| 10/11 | 売上戻り | 5個 @870 4,350 | 45個 @870 39,150 | |
| 10/18 | 仕入 | 55個 @910 50,050 | 100個 @892 89,200 | |
| 10/25 | 売上 | 70個 @892 62,440 | 30個 @892 26,760 | |
| 10/31 | 次月繰越 | 30個 @892 26,760 | ||
| (合計) | 160個 141,400 | 160個 141,400 | ||
| 11/1 | 前月繰越 | 30個 @892 26,760 | 30個 @892 26,760 |
(2)
| ①純売上高 | ②売上原価 | ③売上総利益 |
|---|---|---|
| 166,000 | 110,290 | 55,710 |
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▼考え方の手順
- 仕入帳は原価、売上帳は売価です。商品有高帳に写してよいのは、仕入帳の数字(と運賃)だけです。
- 10月4日:仕入帳の「引取運賃3,500」は同じ仕入の一部です。(59,500+3,500)÷70=@900で受け入れます。平均単価は(24,000+63,000)÷100=@870。
- 10月9日:売上帳の@1,300は使わず、原価@870で60個を払い出します(52,200)。
- 10月11日:売上戻り5個を、払い出したときの原価@870で受入欄に記入します(4,350)。
- 10月18日:平均単価は(39,150+50,050)÷100=@892。10月25日に70個を@892で払い出します(62,440)。
- (2)純売上高=78,000−6,500+94,500=166,000。売上原価=52,200−4,350+62,440=110,290。売上総利益=55,710。
- 検算:前月繰越24,000+当月仕入113,050−月末有高26,760=110,290で一致します。
▼よくある間違い(なぜ間違えるか)
- 売上帳の金額(@1,300、@1,350)を払出欄に写してしまう。補助簿の資料が並ぶと、どれが原価かを確かめずに転記しがちです。
- 引取運賃の行を「別の受入」として、70個とは別の行に書いてしまう。運賃は数量を増やさず、単価を上げるだけです。
- 純売上高で売上戻りの6,500を引き忘れる。売上帳の戻りの行は、売上高から差し引く金額です。
問8 商品有高帳から「販売のつど売上原価」の仕訳を答える(2027年度〜)
当社は、商品売買を「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」で記帳し、商品有高帳は先入先出法により記入している。次の×7年11月の取引について、それぞれ仕訳を示しなさい。11月1日の前月繰越は10個 @¥2,000である。
| 日付 | 取引 |
|---|---|
| 11/7 | 商品20個を@¥2,100で仕入れ、代金は掛けとした |
| 11/14 | 商品25個を@¥3,000で販売し、代金は掛けとした |
| 11/20 | 11月14日に販売した商品のうち3個が品違いのため返品され、掛け代金から差し引いた。返品された商品は、商品有高帳に払出時の単価@¥2,100で受け入れる |
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| 日付 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 11/7 | 商品 42,000 | 買掛金 42,000 |
| 11/14 | 売掛金 75,000 売上原価 51,500 | 売上 75,000 商品 51,500 |
| 11/20 | 売上 9,000 商品 6,300 | 売掛金 9,000 売上原価 6,300 |
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▼考え方の手順
- この方法では、仕入れた商品は「仕入」ではなく商品(資産)で記録します。20×2,100=42,000。
- 11月14日:売上(売価)は25×3,000=75,000。売上原価は商品有高帳(先入先出法)の払出額で、@2,000の10個(20,000)と@2,100の15個(31,500)の合計51,500です。
- 11月20日:返品は販売の逆です。売価3×3,000=9,000で売上と売掛金を取り消し、原価3×2,100=6,300で商品を戻して売上原価を減らします。
- 2027年度の改定で、この方法は2級から3級に移りました。日本商工会議所の資料では、3級ではすでに商品有高帳で販売時の売上原価を把握しているので、それを総勘定元帳にも反映させる方法を学ぶ必要がある、という趣旨で説明されています。
▼よくある間違い(なぜ間違えるか)
- 売上原価を売価の75,000にしてしまう。売上原価は払い出した商品の原価で、商品有高帳の払出欄の金額です。
- 三分法の癖で「仕入」や「繰越商品」を使ってしまう。問題文の記帳方法を最初に確認しましょう。
- 返品で売上の取消し(売価)だけを書き、商品の戻し(原価)を忘れる。この方法では、返品のたびに原価側の仕訳も必要です。
▼関連する無料テキスト・問題
→簿記3級 売上原価対立法(販売のつど売上原価勘定に振り替える方法)の無料テキスト
→簿記3級の仕訳問題100戦
商品有高帳でよくある間違い5つ

大学で多くの学習者を見ていると、商品有高帳の誤りは計算ミスよりも、「どの数字を、どの欄に書くか」の判断ミスがほとんどです。5つのパターンと、その直し方を整理します。
払出欄に売価を書いてしまう
資料に売価が出てくると、その数字を使いたくなるミスです(問1・問3・問7)。補助簿の資料が並ぶ第2問形式で、特に増えます。
直し方:書き始める前に、資料の売価に×印を付けておきます。「商品有高帳に売価は一度も出てこない」と覚えましょう。
仕入のたびに平均単価を出し直すのを忘れる
移動平均法で、最初に出した平均単価を最後まで使ってしまうミスです(問2・問5・問7)。仕入戻しや売上戻りの後も、残高が変われば単価を見直します。
直し方:受入や返品の行を書いたら、必ず「残高金額÷残高数量」を計算する、という手順を固定します。
先入先出法で、残高を単価ごとに分けて書かない
単価の違う残高を1行にまとめ、平均したような単価を書いてしまうミスです(問1・問4・問6)。2つの方法の考え方が混ざっています。
直し方:先入先出法の残高欄は、単価ごとの「束」を古い順に積むイメージで書きます。
返品の単価と記入欄を取り違える
仕入戻しを受入欄に書く、売上戻りを売価で戻すというミスです(問5・問6・問7・問8)。
直し方:「仕入戻し=払出欄・仕入単価」「売上戻り=受入欄・払出時の原価」の2行を、問題を解く前にメモしておきます。
締切で次月繰越・前月繰越の欄を間違える
次月繰越を受入欄に書く、前月繰越を残高欄だけに書く、というミスです(問4・問5・問7)。
直し方:締切は「受入合計と払出合計をそろえる作業」と考えます。次月繰越は払出欄、翌月の前月繰越は受入欄と残高欄です。
5つに共通する直し方は、「原価で書く→返品・運賃の欄を決める→残高と単価を確認する」という順番を、1行ごとに守ることです。
採点の目安と次に解く問題
正解数別のおすすめ復習ルート
※問1〜問3は、すべての空欄が正しくて1問と数えます。問4・問5・問7は、締切まで含めて8割以上の欄が正しければ正解とします。問6は6つの空欄、問8は3つの日付の仕訳がすべて正しくて1問です。
| 正解数 | 次にやること |
|---|---|
| 7〜8問 | 商品有高帳は仕上がっています。補助簿全体の問題で、第2問の形式に慣れましょう。 →簿記3級 第2問の問題 |
| 4〜6問 | 基本は身についています。間違えた問題がよくある間違いのどれに当たるかを確認し、同じ問題を解き直してください。 →簿記3級の仕訳問題100戦 |
| 0〜3問 | まだ伸びる段階です。問1〜3に絞り、2つの方法の払出単価を自力で出せるまで繰り返しましょう。 →簿記3級 無料テキスト |
商品有高帳の問題に関するよくある質問

先入先出法と移動平均法は、どちらが試験に出ますか?
どちらも3級の範囲です。日本商工会議所の2027年度改定の資料でも、3級で先入先出法や移動平均法にもとづいて商品有高帳に記帳することが前提として書かれています。どちらで出題されても解けるように、両方を練習しておきましょう。
商品有高帳は本試験のどこで出題されますか?
補助簿の記入として、主に第2問で問われます。2027年4月1日以降の試験では、第2問の配点は25点と公表されています(日本商工会議所、2026年9月25日公表)。
移動平均法の単価が割り切れないときはどうしますか?
問題文に端数処理の指示があれば、それに従います。このページの問題は、割り切れる数値で作っています。割り切れない単価が出たときは、まず計算ミスや、運賃・返品の入れ忘れがないかを確認しましょう。
売上戻りは商品有高帳にどう記入しますか?
戻ってきた商品を、払い出したときの単価(原価)で受入欄に記入します。売価で書かないこと、売上原価から差し引くことがポイントです。
2027年度の改定で商品有高帳の問題は変わりますか?
商品有高帳の記帳方法そのものの変更は、確定版資料の改定事項に挙がっていません。ただし、「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」が2級から3級に移ります。商品有高帳の払出額を使って売上原価の仕訳をする問題に、備えておくと安心です。
独学で伸び悩んだときは
ここまで解いて、「解説を読めばわかるのに、自分で書くと単価がずれる」と感じた方もいると思います。商品有高帳は、手順を一度通して見ると驚くほど安定する論点です。講師の説明で手順を確認してみる、という選択肢もあります。
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