【大学教員が解説】簿記とFPはどっちを取るべき?違いと取得のメリット

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簿記3級

簿記とファイナンシャル・プランナー(FP)はどっちを取るのが良いんだろう。

それぞれのメリットについて詳しく知りたい!

大学生や社会人の間で簿記FP人気の高い資格です。

どちらもお金を扱う資格なので、ビジネスに役立つ実践的な学問です。

初めて勉強する人は、どちらを優先して勉強した方が良いか悩んでいる方も多いと思います。

私は大学で簿記を教えていますが、多くの学生が簿記やFPの取得のために勉強をしています。

その中でどちらを優先的に勉強した方が良いかと相談を受けることも多く、たくさんの人が悩んでいます。

この記事ではこれまでの経験から、簿記とFPのどちらがおすすめなのか徹底解説します!

記事の執筆者

会計ラボ
会計ラボ

・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。

・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。

結論

一般企業で働いている・就職希望の人は簿記資格がおすすめ。

金融機関で働いている・就職希望の人はFPがおすすめ。

しかし、簿記とFPのダブルライセンスが最強。

金融機関と一般企業の両方で役立つのは簿記資格になります

簿記はFPよりも難易度が高いですが、ビジネスの基礎知識を学べる資格試験で万人におすすめできます。

本記事の内容は動画でも紹介しています。動画で見たい方はこちらからご覧下さい。

簿記を初めて勉強する人は、まずは日商簿記検定3級を学習しましょう!

独学で取得することが難しいと感じた人は、サポート体制が充実した簿記スクールを検討してみるのもおすすめです。

簿記3級のおすすめ通信講座は以下の記事で詳しく紹介しています。

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簿記とFP(ファイナンシャル・プランナー)の違い

日商簿記検定FP技能士AFP、CFP
認定機関商工会議所(民間機関)日本FP協会・
金融財政事情研究会(国家資格)
日本FP協会(民間機関)
3級~1級3級~1級AFP(下位資格)、CFP(上位資格)
難易度
(偏差値)
簿記1級:67
簿記2級:58
簿記3級:45
1級:58
2級:48
3級:37
CFP:58
AFP:48
学習内容企業の決算書の作成方法を学ぶ個人のお金の管理方法を学ぶ個人のお金の管理方法を学ぶ
役立つ業種金融機関、一般企業全般金融機関金融機関
資格取得難易度については「資格の取り方」HPの資格難易度偏差値ランキングから。

簿記資格は3種類ありますが、簿記の資格で最も有名なものは日商簿記検定です。

日商簿記検定は3級から1級までがあります。

日商簿記検定は商工会議所が認定する民間の資格です。

簿記の資格取得難易度は3級が簡単レベル(偏差値48)、1級となると難関レベル(偏差値68)です。

金融機関はもちろん、一般企業で役立つ資格です。

日商簿記検定以外の簿記資格は以下の記事で解説しています。

一方、ファイナンシャル・プランナーは国家資格民間資格の2つがあります。

日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)が実施するFP技能士は国家資格です。

日本FP協会が実施するAFPとその上級資格であるCFPは民間の資格になります。

FPは超簡単レベル(偏差値37)から普通レベル(偏差値58)の難易度の資格です。

主に個人のお金の管理方法を学ぶのがFPとなります。

FP資格の位置づけ

日本FP協会ホームページ

一般的には簿記資格の方がFPよりも難易度が高いと考えられています。

簿記とFPで身につく知識の違い

簿記では、取引の仕訳、帳簿の記帳方法、財務諸表の作成といった会社の成績表を作る技術を学びます

簿記は株式会社を対象としたものであり、株式会社の決算書を作成できることが最終ゴールになります。

FPでは、個人のライフプランやお金に関する将来設計を立てる技術を学びます

具体的には、ライフプランニング、保険、金融商品(投資)、税金、不動産といった身近なお金に関する知識を身に付けます。

簿記FP
学習内容帳簿の記入方法
財務諸表の作成方法
決算書の読み方
ライフプラニニング
保険
投資に関するお金の知識
対象株式会社など個人
身につく知識ビジネス知識
財務諸表など決算書を読む力
企業分析
身近な金融知識
投資や資産運用
ライフプランニング

もちろん、簿記とFPの両方を学ぶとより包括的な「お金」に関する知識を身に着けることができます。

お金に関する知識が身につくと、実生活で非常に役立ちます。

例えば、資産運用などで自身の資産を増やすといったことが可能です。

持ち家と賃貸に関する書籍をまとめた記事をNoteで公開しているので興味のある方はご覧ください。

就職で簿記とFPはどっちが就職で役立つのか?

簿記では、企業のお金の流れを勉強することができます。

世の中に企業は無数にあり、簿記は企業に必要不可欠な技術になっています。

業種を選ばず簿記の知識はビジネス界で役立つため、一般企業に就職したい人簿記の勉強がおすすめです。

特に簿記2級以上の資格をもっていると就職活動に有利に働きます。

また、会計事務所や監査法人など会計専門職として活躍したいという人も簿記が向いています。

簿記の上級資格である公認会計士や税理士などの国家資格を取得できれば、年収1,000万円以上も狙うことができます。

このように、簿記はつぶしのきく資格といえます。

一方、金融リテラシーを高めてお金について強くなりたいという人はFPの学習がおすすめです。

また、金融業に就職をしたい人は、FPの学習が合っています

FPで金融知識を身に付けておくと、顧客に資産運用やライフプランニングといった説明をする際に説得力が違ってきます。

昇給やキャリアアップに役立つ資格は簿記とFPのどっち?

簿記やFPも会社にとって重要な「お金」に関する知識を有することを証明する資格です。

そのため、昇給やキャリアアップにもつながる可能性が高いです。

企業によって異なりますが、簿記2級以上持っていることで月額3,000円~20,000円ほどの資格手当がつくことがあります。

フィナンシャルプランナーは2級・1級で月額10,000円~20,000円の資格手当がつきます。

(退職Assist「制度/手続き資格手当の相場はどれくらい?実際の支給額をリサーチ!」&転職Hacks「おすすめの資格・相場の一覧つき資格手当とは?どのくらいもらえる?」)

どちらも資格手当がつく企業や業種がありますが、相場でいうとフィナンシャルプランナーの方が少し高いです。

昇給目的で資格を取りたい人は、まず勤め先で資格手当があるか、どちらの金額が高いかを調べてから決めましょう!

簿記とFPの資格取得難易度が高いのはどっち?

日商簿記検定の受験資格

特に条件なし。

3級、2級、1級ともに自由に受験可能。

FPの受験資格
  • FP3級の受験資格
    FP業務に従事している者または従事しようとしている者
  • FP2級の受験資格
    ①FP3級合格者
    ②AFP認定講習を修了した者
    ③FP業務の2年以上の実務経験を有する者
    ④厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者

日商簿記検定の受験資格は特にありません

そのため、年齢によらずどの級からでも自由に受験をすることができます。

一方、FPは受験資格があるため注意しておきましょう。

FP3級は基本的に誰でも受験することができます。

FP2級は、FP3級合格者や実務経験があるなど受験資格があります。

ではどちらの資格の難易度が高いのか比較してみましょう。

日商簿記検定FP合格難易度比較
3級40~50%
(年3回実施)
学科試験 70~80%
実技試験 80~90%
(年3回実施)
簿記<FP
2級15~30%
(年3回実施)
学科試験 50%
実技試験 60%
(年3回実施)
簿記<FP
1級10%
(年2回実施)
学科試験 10~20%
実技試験 80~90%
簿記≒FP

級によって合格率は異なりますが、基本的にはFPより簿記の方が合格率は低く難易度は高いといえます。

ただし、1級は簿記もFPも合格率は10%程度とかなり難しいです。

簿記とFPはどっちも役立つ|ダブルライセンスが最強

簿記とFPの資格取得を通じて、ビジネスや実生活で役立つ知識を勉強できます。

正直いうと、どっちも社会で役立つ有益な知識です。

時間がない人は、自身の目的にあった方をまず取得しましょう。

簿記とFPの知識は、学習を進めるほど重なる部分がでてきます。

ビジネスで活躍し、実生活でも役立つ知識を得たい人はダブルライセンス(簿記とFP)を目指すと良いでしょう

簿記とFPはどっちを取得すべき?まとめ

簿記がおすすめの人
  • 決まった就職先がない人
  • ビジネス知識を身に付けて企業で活躍したい人
  • 経理会計専門職で働きたい人
FPがおすすめの人
  • 金融業不動産業で働きたい人
  • 資産運用など身の回りのお金の知識を身に付けたい人

どちらの資格も実生活で役立つ「お金」に関する資格です。

知識があるかないかで周りの社会人との差が大きくつきます。

どちらもキャリアアップに役立つ資格になるので、自分にあった資格を取得するのが良いでしょう。

中には両方とも取得を目指している人もいます。

まずはどちらか合いそうな方から目指してみるのが良いと思います。

簿記を初めて勉強する人は、まずは日商簿記検定3級を学習しましょう!

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独学で取得することが難しいと感じた人は、サポート体制が充実した簿記スクールを検討してみるのもおすすめです。

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