簿記2級合格に向けてどのような勉強をすべき?
勉強する時のコツや注意点はある?
こんなこと気になっていませんか?
いざ簿記2級を受験しようと思っても、何から始めればいいかわからないと言う人も多いかと思います。
簿記2級に合格するためには、まずは難易度や必要な勉強時間を知ることが大切です。
独学でも合格する可能性はありますが、正しい順序で準備を進めなくては合格が遠のく可能性もあるので注意しなくてはいけません。
そこで本記事では、簿記2級に合格するための最適な勉強方法をわかりやすく解説していきます。
合格に必要な勉強時間やコツ、注意点などもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
記事の執筆者
・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。
・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。
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おすすめのオンライン簿記スクールは以下の記事で紹介しているので、併せてご覧下さい。
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簿記2級の概要
簿記2級の試験内容は、基本的に「商業簿記」と原価計算を含む「工業簿記」を中心に出題されます。
商業簿記は、企業との取引における購買・販売活動の記録や計算を行う技能です。
取引先に対して見積もりの試算表を作成したり、決算書を作成する際に活用できます。
一方、工業簿記は企業内部にて取り扱う製品の材料や燃料、人力などの資源を部門別・製品別で記録・計算する技能です。
製造業において必要不可欠な知識で、資格を取得していれば就職や転職時に高く評価されます。
簿記2級の難易度や合格率
簿記2級は、簿記3級に比べて難易度が上がります。
もともと試験時間は120分となっていましたが、2021年から90分に変更となりました。
合格率は毎年異なりますが、高くても30%程度となっています。
以下の画像は、日本商工会議所が公式HPにて発表していた合格率の推移です。
10人に1〜3人しか受からないことから、簿記2級の難易度は高めなのがわかります。
しかし、2020年12月よりネットでの試験が採用されて以降、ネット試験での合格率は統一試験や団体試験に比べて高めとなっています。
以下の画像は、日本商工会議所が公式HPにて発表していた、ネット試験での合格率を現したものです。
どの試験方式を選んでも、出題内容は同じです。
そのため、少しでも合格する可能性を高めたいならネット試験にて受講するのがおすすめと言えます。
簿記検定の合格率の詳細はは以下の記事で解説しています。
簿記2級の合格に必要な勉強時間
簿記2級の合格に必要な勉強時間は、以下のように状況別で異なります。
- 独学にて簿記2級を初めて受ける場合
- 簿記3級の資格を取得している場合
- 通信講座やスクールを利用する場合
それぞれ詳しく見ていきましょう。
独学にて簿記2級を初めて受ける場合
独学で簿記2級の試験を受ける場合、一般的には200時間以上の勉強が必要だと考えておきましょう。
日数でいうと4ヶ月〜6ヶ月程度ですが、人によってはそれ以上の時間・日数が必要な場合もあります。
そのため、ただ闇雲に勉強をするのではなく、スケジュールを立てて計画的に基礎知識を身につけることが大切です。
中にはわかりにくい教材も多いので、丁寧な説明書きがされた教材を見つけておきましょう。
3級を飛ばして2級から合格することができるかどうかは以下の記事で詳しく解説しています。
簿記2級から勉強をすることもできますが、一度3級から取得を目指すのがおすすめです。
簿記には向き不向きもあるため、3級を勉強すると適正もわかります。
簿記3級の効果的な学習方法は以下の記事で詳しく解説しています。
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簿記3級の資格を取得している場合
簿記3級の資格をすでに取得している場合、150時間程度の勉強が必要だと考えておきましょう。
日数でいうと、最低でも3ヶ月の勉強時間が必要となります。
すでに持っている知識は活かせますが、工業簿記は簿記2級から出題される問題です。
新たな知識が必要となるので、余裕を持って勉強の計画を立てていくと良いでしょう。
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通信講座やスクールを利用する場合
通信講座やスクールを利用して簿記2級の試験を受ける場合、90〜120時間程度の勉強が必要だと考えておきましょう。
日数でいうと2〜3ヶ月程度となっており、独学と比べて勉強時間を大幅に短縮できます。
さらに、専門の講師が教えてくれるので、余裕を持って勉強を進めることが可能です。
さまざまな通信講座やスクールがあるので、サービスの違いや口コミなどを見てから利用するか判断してみてはいかがでしょうか。
簿記2級合格に向けた正しい勉強方法5STEP
簿記2級に合格するためには、かなりの勉強時間を確保しなくてはいけません。
順序よく進めなくては合格が難しくなるので、まずは以下を参考に勉強を進めてみてください。
- 勉強スケジュールを立てる
- 基礎知識を勉強する
- 問題集に取り組む
- 過去問題や予想問題を解いていく
- 繰り返し参考書や問題集に取り組む
それぞれ詳しく解説していきます。
STEP1 勉強スケジュールを立てる
まずは、勉強スケジュールを立てていきましょう。
スケジュールを立てれば、「今日はここまで勉強する」などと計画通りに勉強を進められます。
スケジュールの立て方をまとめると、以下の通りです。
- 1日の勉強時間として何時間確保できるか把握する
- 逆算して何日前から取り組むべきかを把握する
- 期間に合わせて勉強する項目を選択する
スケジュールを立てる際には、ゴールから逆算して計算するのがおすすめです。
1日2〜3時間勉強すると計算したら、どれくらいの日数が必要になるか把握していきましょう。
期間が明確になったら、勉強する内容を決めていきます。
「最初の1ヶ月は工業簿記」「次の1ヶ月は商業簿記」といったように、細かく振り分けておくことが大切です。
途中で体調を崩して予定通りに進まない場合もあるので、余裕を持ってスケジュールを立てていきましょう。
STEP2 基礎知識を勉強していく
スケジュールを立てたあとは、基礎項目の勉強から進めていきましょう。最初から応用知識を学んでしまうと、勉強の効率が悪くなる場合もあります。
例えば、4ヶ月間の勉強時間を設けているのであれば、最初の1ヶ月間は基礎学習に励むのが良いでしょう。根本的な基礎知識を身につけておけば、問題集や過去問題に対応できるようになります。
何事も基礎が大切なので、ちょっとしたスキマ時間は単語の暗記に注力するなどして学習に励んでいきましょう。
STEP3 参考書を読んだり問題集に取り組む
基礎知識の学習が完了したら、次は参考書を読んだり問題集に取り組んだりしていきましょう。簿記2級に合格するためにも、まずは自分の苦手分野を把握することが大切です。
自分の苦手分野は勉強している段階では分かりにくい部分があります。しかし、反復して問題集に取り組めば、自身の間違えやすいポイントが見えてくるはずです。
簿記2級となると工業簿記が増えることから、苦手意識を持ってしまう人も少なくありません。ただし、合格するためには弱点克服がカギを握るので、時間が許す限りは問題集に取り組んでいきましょう。
ちなみに、日本商工会議所の公式HPでもサンプル問題が出されているので、ぜひ参考にしてみてください。
STEP4 過去問題や予想問題を解いていく
試験当日の問題を予測するためにも、過去問題や予想問題も解いていきましょう。簿記2級の試験内容は毎回全てが変わるわけではなく、中には過去にでた問題がそのまま出題されることも少なくありません。
また、簿記2級の予想問題は本屋に行けば見つかります。過去の出題傾向から問題を予想してくれているので、独学で勉強を進める人にとっても参考になるでしょう。
STEP5 繰り返し参考書を読んだり問題集に取り組む
試験日が近くなってきたら、再度参考書を読んだり問題集に取り組むようにしていきましょう。過去問題や予想問題だけを解いても、合格するのは難しいのが現状としてあります。
問題を解き続ければ出題傾向がわかるものの、完璧に対策できるとは限りません。繰り返し参考書を読んだり問題集に取り組むことで、知識が蓄えられます。
試験日が近づいてきたら「問題集から参考書」「参考書から問題集」と切り替え、万全な状態にしておくことが大切です。
勉強が苦手な人でも簿記2級に合格するコツ
簿記2級に合格するためには、スケジュールを立てて日々の勉強に取り組むことが大切です。ただ、中には勉強が苦手で、なかなか思ったように進まないという人も少なくありません。
そこで、この章では勉強が苦手な人でも簿記2級に合格するコツを以下の順番でまとめていきます。
- 先に簿記3級合格を目指す
- 工業簿記の満点を目指す
- 理解しやすいテキストや問題集を見つけておく
- 自分にあった電卓を見つけておく
それぞれ詳しく見ていきましょう。
先に簿記3級合格を目指す
もし簿記2級をいきなり受験することに抵抗があるなら、まずは簿記3級合格を目指すのも良いでしょう。
簿記3級は2級に比べて出題範囲も少なく、基礎的な知識があれば合格しやすいという特徴があります。
また、3級を取得しておけば基礎が身についているので、勉強時間も少なくなるのでおすすめです。
簿記3級の勉強方法は以下の記事で詳しく解説しています。
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工業簿記の満点を目指す
簿記2級は工業簿記が追加されることもあり、難しいと感じる人も少なくありません。
しかし、工業簿記は出題傾向が過去の試験とほぼ一緒なことから、点数が稼ぎやすいという特徴もあります。
そのため、商業簿記よりも工業簿記に力を入れた方が、合格する可能性が高くなると言えるのです。
特に原価計算は試験のメインとして出題されるので、ぜひ過去問題や予想問題をチェックして満点を目指していきましょう。
理解しやすいテキストや問題集を見つけておく
簿記2級の合格を目指すためにも、勉強するテキストや問題集の購入は必要不可欠です。
ただし、中には内容が複雑でわかりにくい冊子も少なくありません。
そのため、勉強を進める前に理解しやすいテキストや問題集を見つけておきましょう。
なお、様々な大学でも利用されている簿記のおすすめのテキストは問題集は次の通りです。
テキスト名 | 定価(税込み) | おすすめポイント |
【検定簿記講義】2級商業簿記 2022年度版 | 935円 | 会計学で有名な大学教授陣が執筆した簿記テキスト。 検定試験の問題は大学教授が出題しているので、試験対策にもgood。 リーズナブルで内容も濃い。練習問題も豊富。 テキストに準拠したワークブックも935円とリーズナブルで問題数も多い。 |
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みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級 商業簿記 第11版 | 1,540円 | 簿記検定に強いTACが出版する簿記テキスト。 前述の「スッキリわかる」よりも内容が濃い印象。 イラストが苦手な人はこちらの本がおすすめ。 テキストに準拠した問題集もあり。 第10版から専用アプリで仕訳問題の演習が可能になり、更に使いやすくなりました。 別売りのテキスト準拠の講義DVDもある。 |
ネットを調べれば口コミなども書かれているので、参考にしてみてください。
自分にあった電卓を見つけておく
簿記2級の試験において電卓は必須アイテムです。電卓を用いて問題を解く必要もあるので、自分にあった電卓を見つけておきましょう。
おすすめなのはボタンが押しやすく、早打ちにも対応している電卓になります。電卓の操作に慣れていれば問題を解く時間も早くなるので、勉強しつつ電卓の操作に慣れておくことが重要です。
ただし、試験では「関数計算や特殊計算用の電卓を使ってはいけない」という制限もあるので、選ぶ際には注意しましょう。
電卓はシャープやカシオが有名です。
どちらか好きな方を選びましょう。
簿記2級の試験を受ける際の注意点
簿記2級の試験を受ける際には、以下の点に注意しておきましょう。
- 事前準備をしっかりしておく
- 試験中は得意な分野から解いていく
- 合格をゴールにしない
それぞれ詳しく解説していきます。
事前準備をしっかりしておく
余裕を持って試験日当日を迎えるためにも、しっかり事前準備をしておきましょう。
- 必要な持ち物はなにか
- 試験場の場所はわかるか
- 直前まで目を通せる参考書はあるか
上記を意識して準備をしておくだけでも、試験日当日のモチベーションは大きく変わります。また、試験日前日はしっかり睡眠を取ることが大切です。
頭がすっきりした状態で試験を受ければ、合格する確率を上げることに繋がります。
試験中は得意な分野から解いていく
実際に試験を受講する際には、得意な分野から解いていくようにしましょう。苦手な問題から取り組むと時間を取られるので、まずは解ける問題から取り組むのがおすすめです。
これまでの傾向として、以下の順番で問題が出題されます。
- 仕訳問題
- 伝票会計・個別論点
- 財務諸表作成・精算表作成
- 費目別計算
- 総合原価計算・標準原価計算
全体の試験問題を見て確実に解けるところを抑えておけば、余裕を持って試験にのぞむことが可能です。
合格をゴールにしない
試験合格に向けて勉強をしてきた訳ですが、決して合格をゴールにしてはいけません。あくまで簿記2級の合格は通過点であり、合格後のビジョンを思い描くことも大切です。
就職や転職に活かすのか、それとも勤めている会社の事業促進のために取得するかは人それぞれ異なります。
資格を取得しようと思ったきっかけがあるはずなので、合格したらどうなりたいのか想像しながら試験に臨んでみましょう。
独学でも簿記2級には合格する?
簿記3級であれば、独学でも十分合格を目指すことが可能です。
しかし、簿記2級となると出題範囲も増えることから、独学では難しいのが事実としてあります。
参考書や問題集を活用して対策を立てることも可能ですが、勉強方法次第ではかなりの時間がかかることも少なくありません。
そのため、効率よく効果を出していきたいなら、通信講座やスクールの受講がおすすめです。
通信講座やスクールを受講すれば、試験範囲を理解した上で最適な学習方法を共有してくれます。何より嬉しいのは、つまづいた時にサポートをしてくれるという点です。
独学だと孤独を感じやすいので、本気で合格を目指していきたいのであれば、通信講座やスクールの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
簿記2級の勉強方法|まとめ
簿記2級の難易度や勉強方法、試験を受けるにあたっての注意点などを解説していきました。
独学でも簿記2級の合格は目指せられますが、多大な勉強時間が必要になることは覚悟しておきましょう。
もし少しでも効率的に勉強を進めたいなら、通信講座やスクールの利用がおすすめです。自分に最適な勉強方法を見つけて、簿記2級の合格を目指してみてください。
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