
簿記3級にネット試験というものがあると聞いたんだけど、難しいの?
ペーパー試験とどっちがおすすめなの?
皆さんは日商簿記3級試験がネットでも受験できることをご存じでしょうか?
従来のペーパー試験(統一試験)にはないメリットもあり、2020年12月の開始以降ネット試験の受験者は40万人を超えています。
しかし、事前にネット試験の特徴やペーパー試験との違いについて知っておかないと、後悔してしまうかもしれません。
私は大学で簿記を教えている大学教員です。
この記事では、簿記3級のネット試験の概要および試験のメリット・デメリットの比較、試験対策について解説します。
📋 この記事でわかること
- ネット試験とペーパー試験(統一試験)の違い一覧
- 合格率の比較(最新データつき)
- ネット試験のメリット・デメリット4選
- タイプ別「どっちで受けるべきか」判定
- ネット試験の申込方法と注意点
記事の執筆者

・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。
・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。
ネット試験は操作に慣れは必要ですが、対策しておけばいつでも試験を受けられるので便利です。
その場で合否を知りたい、自分のペースで勉強して受験したいという人にはネット試験がおすすめです!
試験内容はペーパー試験とほぼ変わりませんので、試験対策は同様にやれば問題ありません。
本記事の内容は動画でも解説しているので、こちらをご覧下さい。
簿記3級の勉強方法について知りたい人は以下の記事をご覧下さい。
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簿記3級ネット試験とは

日商簿記3級のネット試験(CBT試験)は、これまでのペーパー試験とは異なり、指定の試験会場のパソコンを利用して受験します。
ネットとは言え自宅のパソコンで受験できるというわけではありません。
ネット試験実施の背景には2020年に新型コロナウイルスの感染者数が増加したことがあります。
ペーパー試験の会場確保が困難となり受験者数が減少しました。
会場受験のみの対応では受験者が受験機会を失いかねない状況となったため、日本商工会議所は受験機会の確保するためネット試験実施に踏み切りました。
ネット試験とペーパー試験との違い
日商簿記3級のネット試験はこれまでのペーパー試験とどのような点が違うのでしょうか。
それぞれを比較しながら見ていきましょう。
ネット試験とペーパー試験(統一試験)の違いを比較
日商簿記3級は現在、ネット試験(CBT試験)とペーパー試験(統一試験)の2つの形式で受験できます。
⚠️ 地域によってはネット試験しか選べない場合があります
東京商工会議所では2024年4月からネット試験のみの実施となり、ペーパー試験は廃止されました。他の地域でも同様の動きが出ています。受験前に必ずお住まいの地域の商工会議所サイトをご確認ください。
2つの試験の主な違いをまとめると以下のとおりです。
| 比較項目 | ネット試験(CBT) | ペーパー試験(統一試験) |
|---|---|---|
| 試験日程 | 随時(年間ほぼいつでも) | 年3回(6月・11月・2月) |
| 受験場所 | 指定テストセンター(PC使用) | 指定試験会場(筆記) |
| 出題形式 | 受験者ごとにランダム出題 | 全受験者同一問題 |
| 解答方法 | プルダウン選択+キーボード入力 | 手書き記入 |
| 試験時間・受験料 | 60分・3,300円+事務手数料550円 | 60分・3,300円 |
| 筆記用具 | 持込不可(会場でボールペン配布) | 持込可 |
| 合否発表 | 試験終了直後にその場でわかる | 1〜2週間後 |
| 合格証 | デジタル合格証(PDF印刷可) | 紙の合格証書 |
| 平均合格率 | 約39〜41% | 約30〜50%(回によって変動大) |
💬 教員コメント:受験料はほぼ同じですが、ネット試験は事務手数料550円が追加されます。その分、日程の自由度が高いので、大半の学生にはネット試験を勧めています。
①ネット試験では試験日程が選択できる
②出題形式と回答形式が違う
③ネット試験で持ち込みできるのは電卓のみ(筆記用具は貸し出し)
④合否が試験終了後にすぐにわかる
⑤合格証はデジタルデータで配布される
⑥ネット試験は事務手数料が550円追加でかかる
試験日程が選択できる
簿記3級ネット試験では試験日程を選択できます。
従来のペーパー試験では年3回の所定の試験日が決められていますが、ネット試験では試験会場が指定した日時であればどの日程でも受験できます。
試験実施会場によって日程が異なります。
インターネットから申し込むか、試験会場に直接問い合わせて日程を決定しましょう。
試験会場は日本商工会議所のホームページから検索できます。
出題形式・回答方法が違う
簿記3級ネット試験は従来の試験と出題内容と回答方法が異なります。
ペーパー試験は全受験者同一の問題を解きますが、ネット試験ではパソコンに表示される問題は受験者ごとに違います。
また、仕訳問題の解答方式はプルダウンから選択して回答します。
試験に持ち込めるのは電卓のみ
ネット試験で試験時に持ち込めるのは電卓のみとなっています。
筆記用具は試験会場で配布されるA4用紙2枚、ボールペン以外使用できません。
自分の使い慣れた筆記用具は使えませんので注意しましょう。
合格・不合格がその場でわかる
ネット試験では合格・不合格が試験終了後すぐにわかります。
試験終了後にパソコンシステムにより自動採点されその場で合否判定されます。
ペーパー試験のようにやきもきしながら結果発表を待つ必要はありません。
合格証はデジタルデータで配布
ネット試験の合格証は紙ではなくデジタル合格証という形で配布されます。
デジタル合格証は、試験後に紙で配布されるスコアレポート内のQRコードから受験者のスマートフォン等にダウンロードする仕組みになっています。
「印刷」ボタンを押すと、読み込んだ機器にPDFで保存されますので、紙媒体で保管したい方は、保存したPDFファイルをプリンターで印刷できます。
「ネット試験だと資格証明できないのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、デジタル合格証をもっていれば履歴書の資格欄に記載可能ですので安心してください。
試験時間・受験料は同じ
試験時間と受験料については、これまでのペーパー試験と同じです。
簿記3級は選択式+入力式3題以内で、試験時間は60分です。
試験料もペーパー試験と同額の2,850円です。
ただし、ネット試験の場合は事務手数料が別途550円(税込)かかります。
簿記3級のネット試験とペーパー試験はどっちが難しい?

ネット試験とペーパー試験の合格率を比べると以下のようになります。
| 期間 | ネット試験 | 統一試験(ペーパー) | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 受験者数 | 合格率 | 対象回 | 実受験者数 | 合格率 | |
| 2025年4月〜12月 | 189,369名 | 40.8% | 第170・171回 | 35,583名 | 38.7% |
| 2024年4月〜2025年3月 | 254,433名 | 38.6% | 第166・167・168回 | 64,492名 | 35.7% |
| 2023年4月〜2024年3月 | 238,155名 | 37.1% | 第163・164・165回 | 84,040名 | 34.8% |
| 2022年4月〜2023年3月 | 207,423名 | 41.2% | 第160・161・162回 | 113,294名 | 43.3% |
出典:日本商工会議所 受験者データ(最新は公式サイトをご確認ください)
ネット試験の合格率は38〜41%前後で安定しています。
一方、統一試験は回によって28.7%〜42.4%と大きく変動しています。
この理由のひとつは、ネット試験では受験者ごとにランダムで問題が出題されるため、難易度のばらつきが出にくいからです。
統一試験は全員同じ問題を解くため、難しい回に当たると合格率が大きく下がります。

「難易度は同じ」と言われていますが、ペーパー試験は運によって難しい回に当たるリスクがあります。その点ではネット試験の方が安定していると言えます。
ネット試験とペーパー試験、どっちがおすすめ?
ここまでは簿記3級ネット試験とペーパー試験との違いについて見てきました。
「簿記3級のネット受験とペーパー試験はどっちがおすすめなの?」と気になる方も多いはず。
一言で言えば、ほとんどの人にはネット試験(CBT)をおすすめします。ただし、例外もあります。
自分のペースで勉強して、準備ができたら受験したい
合否をその場で知りたい
仕事や育児で試験日が限られる
万一落ちてもすぐ再チャレンジしたい
パソコン操作に慣れている
東京など統一試験が廃止されている地域に住んでいる
問題用紙に書き込みながら解きたい
パソコン操作が苦手で不安
「試験日が決まっている方がモチベーションを保てる」タイプ
紙の合格証書がどうしても欲しい

毎年300人以上の学生を見ていて感じるのは、「いつでも受けられる」という自由度が勉強の先延ばしにつながってしまうケースです。ネット試験に申し込んだら、必ず先に受験日を決めて、そこに向けて逆算して勉強することをすすめています。
ネット試験のメリット・デメリット
メリットその1:試験日程が選べる
ネット試験は試験会場が設定した日程であればいつでも受験できます。
ペーパー試験(年3回)と違い、学習ペースに合わせて受験日を決められるので、計画が立てやすいのが最大のメリットです。
万が一不合格でも、最短で3日後から再受験できます。
⚠️ 注意:施行休止期間があります
年3回、ペーパー試験(統一試験)の前後にネット試験の施行休止期間が設けられています。この期間は受験できません。受験予定がある場合は必ず日本商工会議所の公式サイトで休止期間を確認してください。
メリットその2:申し込みが簡単
試験の申込が簡単にできるのもネット試験の特長です。
試験受験申込はスマホ1つで完結します。
ユーザIDとパスワードを作成したら設定し受験者専用ページにログインします。
あとは必要事項を入力して支払い方法を選択するだけ。
仕事や家事でなかなか時間が取れない方でもスキマ時間を使って申込できます。
メリットその3:合否がその場でわかる
ネット試験では合格発表を待つことなく合否がその場でわかります。
ペーパー試験だと合格発表まで1週間から2週間かかります。
ネット試験であれば合格発表までやきもきしながら待つ必要がなくなり、余計なストレスがかかりません。
合格していれば気分よく変えることができますし、たとえ不合格であっても結果がすでに出ている分早めに学習を再開できます。
デメリットその1:問題用紙に書き込みできない
ペーパー試験と違い、ネット試験では問題が画面に表示されるため書き込みができません。
問題解答までの必要なメモは配布されるメモ用紙に記入します。
問題用紙に直接書き込みができないことで出題内容によっては回答しづらくなる可能性があります。
デメリットその2:パソコン操作に不慣れだと回答に時間がかかる
ネット試験はパソコンを利用し回答することから操作になれていないと回答に時間がかかります。
プルダウンメニューによる選択肢決定、キーボードを使った数字の入力と難しい操作はありませんが、操作に手間取るようだと回答時間が足りなくなってしまうかもしれません。
パソコンに苦手意識がある方はあらかじめ入力する練習が必要でしょう。
初めて使う場合は本番前に必ずサンプル問題で練習しておきましょう。
デメリットその3:筆記用具が持ち込みできない
ネット試験の場合は試験会場に筆記用具の持ち込みはできません。
試験会場で配布されるA4サイズの紙2枚、筆記具(ボールペン)のみ使用できます。
使い慣れた筆記用具で試験に臨みたい方にはデメリットになります。
ネットの情報では、配布されたボールペンが安物で使いづらかったという声もあります。気
になる方は普段の学習から使いにくいボールペンを使ってみるとよいかもしれません。
デメリット④:答え合わせができない・学習モチベーション管理が難しい
試験終了後、問題を持ち帰ることも確認することもできません。
不合格時に「どこが間違えたか」を検証しにくいので、弱点を把握するためにも日頃の問題演習でしっかり記録をつけておきましょう。
また、いつでも受けられるがゆえに「もう少し後でもいいか…」と先延ばしになりやすいのも注意点です。
申し込んだら受験日を先に決めてしまうのが一番効果的な対策です。
簿記3級ネット試験の対策方法
ここからは簿記3級ネット受験の対策を解説します。学習の際の参考にしてみてください。
①パソコン操作に慣れる
②過去問・予想問題の演習をする
パソコンの操作に慣れる
ネット試験においてはパソコン操作に慣れておくことが大変重要です。
操作が思い通りにできなければ時間のロスにつながり、試験時間内に問題を解き切ることができなくなる可能性があります。
普段からパソコンを使いこなせるように練習しておきましょう。
日本商工会議所のホームページではネット試験問題のサンプルがダウンロードできます。
また、ネット試験に対応した問題をパソコンで解くなどして時間配分等の感覚をつかんでおきましょう。
サンプル問題を解いてみる👇
一度試して見たいという人はパソコンのレンタルを活用して初めて見るのもおすすめです。
リーズナブルにパソコンを利用できるので、一時的に必要な時に便利ですよ。
過去問・予想問題演習をおこなう
問題演習のやり方はネット試験でもペーパー試験でも変わりません。
過去問集や予想問題集を購入して問題を解いていきましょう。
よく間違える問題はチェックしておき、理解できるまで何度も解きましょう。
簿記試験では初めて見る問題も出題されることもあり、単語や正答を丸覚えしてからといって問題が解けるわけではありません。
問題を解く際は、仕訳を書き出す等アウトプットを意識しましょう。
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簿記3級ネット試験の受け方

最後に簿記3級ネット試験の申込の流れを説明します。
ネット試験の申込方法は、以下の2通りのパターンがあります。
・インターネット申込方式
・試験会場に問い合わせ方式
それぞれ解説していきましょう。
インターネット申込方式
日本商工会議所のホームページから直接申し込む方法です。
インターネット上で申込が完結し、またスマホからも申し込みが可能ですので、申込に手間をかけたくない方におすすめです。
①申し込みページからユーザーIDとパスワードを新規登録
②専用ページにログインし、申し込みに進む
③試験会場と日程を選び、必要事項を入力
④支払方法を選択
日本商工会議所のホームページ上の専用ページに移り、ユーザIDとパスワードを新規登録します。
登録が完了したら受験者専用ページにログインし、申込に進みます。
受験したい試験会場と日程を選んだら、受験者名・住所・支払い方法など必要事項を入力します。
支払い方法はクレジットカード払い・コンビニ払いです。
受験料の他事務手数料として550円がかかります。
会場問い合わせ方式
試験会場に問い合わせて申込む方法です。
「商工会議所ネット試験施行機関リスト」から受験したい試験会場を選びます。
申込方法は試験会場によって異なります。試験会場のホームページ等を各自で確認してから申し込みましょう。
日程変更・キャンセル時の注意
簿記ネット試験では試験日時変更・キャンセルが可能です。ただし以下の点には注意が必要です。
・日程のキャンセル・変更は試験日の3日前までに申請が必要
・キャンセル申請はマイページからのみ可能
・キャンセルの場合は手数料(1,100円、税込)が発生する
やむを得ない場合を除き変更・キャンセルはしない方がよいでしょう。
簿記3級のネット試験とペーパー試験|まとめ
今回は簿記3級のネット試験について説明してきました。
✅ この記事のまとめ
- ネット試験とペーパー試験は試験内容・難易度はほぼ同じ
- 合格率はネット試験が約40%で安定。ペーパー試験は回によって大きく変動する
- 自分のペースで勉強・受験したい人にはネット試験がおすすめ
- 東京など一部地域ではペーパー試験を選べない場合がある
- ネット試験を選ぶなら、先に受験日を決めてしまうのがコツ
試験日程や出題内容などペーパー試験と異なる点がいくつかあります。
試験日程が柔軟に決定できるので、学習計画が立てやすく忙しい方には特におすすめしたい試験です。
試験対策としては、日ごろからパソコン操作に慣れておくこと、ペーパー試験と同様にアウトプットしながら問題演習をすることが重要です。
また、試験会場には筆記用具を持ち込むことができないので、筆記具の使用感が気になる方は問題を解く際に普段と違う筆記具を使用するなど、本番で慌てないように準備しておきましょう。
簿記3級の勉強方法について知りたい人は以下の記事をご覧下さい。
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