簿記3級って高校生でも合格は十分に可能な資格試験なの?
どの簿記3級を受けるべき?
簿記3級は経理や会計の仕事を目指す方の多くが受験する資格試験です。
この資格に合格していると就職活動や転職活動で役立つだけではなく、最近では大学入試などの受験でも有利になります。
そのため「受験や就職のために簿記3級を取得したい」と考えている高校生の方は少なくないでしょう。
しかし「高校生って簿記3級に合格できるの?」「簿記3級を取るメリットが分からない」という心配や疑問を持たれている方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、高校生が簿記3級を取得するとしたら、何の試験を受けるべきか、そしてそのメリットや合格の可能性について解説していきます。
記事の執筆者
・年間300人以上の大学生に簿記を教える大学教員。
・日本人の会計リテラシーを高めるを理念に、会計ラボを運営中。
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そうしないと試験本番で電卓が思うように使えません。
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高校生が取得できる簿記3級の種類は3つ
簿記3級と一口に言ってもその種類は3つあります。
試験ごとに難易度や試験内容が変わってくるため、ここではまずそれぞれの試験の概要について紹介していきます。
簿記3級の難易度でいうと、
日商簿記>全経簿記>全商簿記です。
偏差値でいうと以下の通りになります。
偏差値 | 合格率 | |
日商簿記検定3級 | 45(簡単) | 40~60% |
全経簿記3級 | 36(超簡単) | 67% |
全商簿記 | F | 60% |
日商簿記検定の偏差値について詳しく知りたい人は以下の記事をご覧下さい。
日商簿記検定試験
日商簿記検定試験は日本商工会議所が実施している試験です。
簿記検定というと、この日商簿記検定のことを指すのが一般的です。
受験の対象者は基本的には大学生から社会人となっており、経理の仕事を行う上で必要な基礎知識が問われます。
簿記3級の試験は100点満点中70点を取れば合格となり、その合格率は50%程度だと言われています。
簿記実務検定試験
簿記実務検定試験は全国商業高等学校協会が実施している試験です。
全商簿記と呼ばれており、基本的には商業高校に通っている学生を対象としています。
試験は100点満点中70点を取れば合格となり、その合格率は60%程度だと言われています。また、試験の難易度は日商簿記よりも低いです。
簿記能力検定試験
簿記実務検定試験は公益社団法人全国経理教育協会が実施している試験です。
全経簿記と呼ばれており、基本的には経理や会計の専門学校に通っている学生を対象としています。
試験は100点満点中70点を取れば合格となり、その合格率は60%から80%程度だと言われています。
また、試験の難易度は日商簿記よりも低く全商簿記よりも高いです。
高校生は簿記3級に合格できるのか?十分に可能!
先ほど解説したように簿記3級の試験は3種類ありますが、高校生でも全ての試験に合格できる可能性は十分にあります。
特に全商簿記に関しては高校生向けに作られている試験であるため、きちんと対策を行えば問題なく合格できると言えます。
また、日商簿記や全経簿記は全商簿記に対して難易度は上がりますが、基礎知識をしっかりと身に付けた上で挑戦すれば合格は可能です。
実際に日商簿記3級を取得している高校生もたくさんいるため、高校生でも合格が狙える試験だと言えるでしょう。
個人的には内容は難しいですが、メジャーな日商簿記検定3級の合格を目指すのがおすすめです。
高校生が簿記3級を取得するメリット
簿記3級は高校生でも取得可能ですが、受験する試験によって得られるメリットは変わってきます。
そのため、受験前に受ける試験が自分のニーズを満たすかどうか確認する必要があります。
そこでこのトピックでは、簿記3級を取得すると得られるメリットについて試験ごとに解説していきます。
なお、簿記を勉強するメリットは以下の記事で詳しく解説しています。
日商簿記3級を取得するメリット
日商簿記3級は社会人や大学生をメインターゲットとしていることもあり、その試験内容は実務を意識したものとなっています。
そのため、この試験に合格すると大学や専門学校への進学に役立つだけではなく、就職の際にも経理部門で活躍できる人材として大きく評価されます。
特に進学においては推薦入試で有利になるほか、共通試験で出題される簿記・会計の学習を先取りで行えるため、周りの学生より大幅に有利になると言えます。
全商簿記3級を取得するメリット
全商簿記3級は商業高校の学生向けの試験であるため、その試験内容は会計の基礎知識の内容理解がメインとなっています。
そのため、この試験を受験して合格すれば会計の基礎知識を定着させられるでしょう。
また、この資格を持っていると会計の基礎知識を習得していることを証明できるため、大学や専門学校の入試で有利になります。
また、日商簿記とは難易度に差があり、日商簿記3級と全商簿記2級の難易度が同等と言われています。したがって、就職でも評価を得たい場合には日商簿記3級にチャレンジする必要があるでしょう。
全経簿記3級を取得するメリット
全経簿記3級は専門学校の学生向けの試験であるため、その試験内容は会計の基礎知識と実務レベルの知識の双方を問うものとなっています。
そのため、この試験を受験して合格すれば会計知識のさらなるレベルアップが期待できます。
また、大学や専門学校に進学する際には評価の対象にもなるため、少しでも受験を有利に進めたい方は受験しておくと良いでしょう。
高校生が簿記3級に合格するための勉強法
簿記3級は試験によって難易度が異なりますが、合格のために必要な勉強方法はどの試験でも共通しています。
やるべきことを一つ一つこなしていけばどの試験も確実に合格できるでしょう。
そこでこのトピックでは、簿記3級合格のためにやるべき勉強について解説していきます。
日商簿記検定3級の勉強方法は以下の記事でも詳しく解説しているので併せてご覧下さい。
基礎知識を身に付ける
まずは合格に必要な基礎知識をしっかりと身に付けましょう。
高校の授業で学んだことや参考書に載っている知識をきちんと頭に入れて、問題を解く上で必要な武器をそろえましょう。
そして、知識のインプットは「繰り返し参考書を読む」「授業で学んだことを復習する」といった地道な作業を何度も行う以外に方法はありません。
一見すると退屈でめんどうにも感じられますが、この段階でしっかりと基礎を築いておくと試験での得点力が大きく上がるため、しっかりと取り組みましょう。
問題演習を行う
基礎知識を身につけたら問題演習を行いましょう。
問題演習を繰り返し行うと、基礎知識の学び残しの発見や応用力の向上などが可能です。
なお、問題演習は1度だけはなく何度も繰り返し行いましょう。
一発で正解できた問題は何度も解く必要はありませんが、間違えた問題をそのままにしておくと学び残しの解消ができません。
学び残しがある状態で試験に向かっても大きく得点を伸ばせないため、合格が難しくなってしまいます。一つ一つの問題に丁寧に取り組んで着実に実力をつけていきましょう。
過去問を解く
問題演習が終わったら最後は過去問を解いていきましょう。
過去問を解くと試験問題の出題傾向や合格点の獲得に必要な立ち回り方が学べます。
また、自分の現在地についても確認ができるため、合格するために自分がしなければならないことを整理できます。
このように事前に過去問を解いて対策を練っておけば、本番で苦手な問題が出題されても冷静に対応できます。
イレギュラーな事態が起きても確実に得点できるように過去問演習は徹底して行いましょう。
高校生が簿記でやってはいけない勉強法
先ほどのトピックでやるべき勉強法について解説しましたが、それとは逆にやってはいけない勉強法も存在します。
これをやってしまうと、かえって合格から遠ざかってしまうため、注意が必要です。
そこでこのトピックではやってはいけない勉強法を2つ紹介します。
暗記に頼る
暗記に頼らないようにしましょう。
語句問題などへの対策としては間違ってはいないのですが、簿記3級の問題は計算を使う問題がほとんどです。
そして、出題される問題によって計算の内容は変わってくるため、暗記に頼ってしまうと自分が知っているパターン以外の問題に対応できません。
そうなると得点を伸ばすのは難しくなってくるでしょう。こうした事態を避けるためにも日頃からしっかりと考えて問題に取り組むようにしましょう。
実力に見合わない級の勉強をする
実力に見合わない級の勉強を行うのもやってはいけない勉強法の一つです。
難しい試験にチャレンジするのは大切ですが、基礎がしっかりとできていないといくら勉強しても身に付かないでしょう。
そのため、会計の勉強を全くしたことがない場合は、まず全商簿記3級の勉強から始めるとよいです。
高校生が簿記3級に合格するための方法|まとめ
簿記3級は社会人や大学生だけでなく高校生にとっても身近な資格試験となりつつあります。
実際に資格を取得していると受験や就職の際に評価をしてくれる学校や企業も増えているため、資格取得にぜひチャレンジしてみてください。
また、会計知識が全くなくても一つ一つやるべきことをやれば合格に必要な実力は確実に身につきます。自分のペースで焦らずじっくりと取り組めば合格はつかめるため、頑張りましょう。
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